二通りの種まき
4月11日土曜日 (午前中の記事です)
今日は絶好の作業日和
昨日から雨が降り続き、午前にほとんど止んで、午後曇り!
絶好の理由は
1.雨で水が溜まっているので、畦の作成具合が確認できる。(漏れている場所など)
2.水路も水が流れ、微妙な高低により流れない場所の確認ができる。
3.天気が観光に向かないので、渋滞しない。←車で行く時はすごく重要。
4.OUTDOORの力作業中は、晴天より曇りの方が暑くならない。
今日は、学生6人と一緒にドライブ。僕を入れて7名だ。
日産キャラバンは、初めて運転する車。運転席の位置が高い。
ディーゼルエンジンのガラガラした音はアクセルを踏むと力強い。
後部シートを見下ろす感じ。マイクロバスの運転手になったみたい。
今日一緒に行くのは、ユズナとナオと初めて一緒に行く4名。
大学院生 ジョー、学部生 カエデ、マイコ、ヤスシ
カエデ、マイコ、ヤスシは、谷津田の調査をしたいみたい。
ジョウは、大先輩としてみんなのサポート、去年まで干潟を研究していた実績がある。
もちろんみんな農作業の体験もしていただく。
エイちゃんの選抜するメンバーだから、良いメンバーでしょう。
車に測定用の機材も積み込み、乗車する。運転席側のシートが3人乗りだ。
助手席にナオ、運転席と助手席の間にユズナが座る。
人と機材が満杯!
さあキャラバン部隊の出発だ。
今までに無いほど渋滞が無く、車が進む。
京葉道路に乗り、東金経由で圏央道に接続し市原鶴舞インターで降りるまで渋滞無し。
初めて行く経路。渋滞無しだとこれが一番楽かも知れない。
圏央道は外に見える自然風景も良さそうだ。(運転していたから横は見れないのです)
一般道に下りていすみに入ると道路に平行していすみ鉄道が伸びる。
後部座席では、田園と家の中を走る単線の鉄道風景に感激した声が聞こえる。
その時、1両の電車が走ってきた。ムーミンのデザインだ。
カワイイー
後ろから声が聞こえる。
これはラッキーだ。いすみ鉄道沿いを何回か車で走った事があるけれど、電車を見れたのは初めて。
運転しているからチラッとしか見れないのが残念。
写真に撮りたかった。
真一の家に近づくと、しらさぎも田んぼを歩いている。ざりがにを食べているのかな?期待しているよ。
真一の家に着くと新しい収穫農業体験オーナーがいて、今日は一緒に作業する。
今日一緒なのは、先々週も一緒だった移住してきたカトちゃんと
新しく会うメンバー
・シゲさん、アキコさん夫婦とお子さん2人 設計をやっていて移住してきたみたい。
・ガッチャン デザインをやっていて移住してきて大工の見習いをしている。
僕ら7名とお互いに自己紹介をする。
午前は種まきを行う事とする。
僕と大金で張ったビニールハウスを使うのである。
まず種まき機と種まきに使う土を運ぶ。台車も使っていたが、ぬかるむ中で時間がかかる。
台車を待たずに、素手で25kgの土を持ち、6人の学生が人力で運んでしまった。
学生パワー凄い。
新しいメンバーがいきなり力作業で心配したが、ジョー、ヤスシの男だけで無く
カエデ、マイコも全然平気。みんな物足りないくらいだ。
ビニールハウスに移動する時に、田んぼの全体を説明する。
水が沢山あり、流れている。
エイちゃんの作った最後の水路なども止まりがちな場所がすぐにわかる。
ズートここを完成させたかった。
今日は作業しやすい!
しかし午前中は、種まきをします。
その前に今までの種に関する作業をもう一度振り返ります。
これは種や苗を買ってしまう農家では見られなくしかも無農薬での手法として、貴重な体験です。
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これまでの振り返り
①籾(もみ)の用意
苗を作るには玄米や白米からでは無く、籾から作ります。
今回の無農薬の自然循環農業では、去年の籾から翌年の種を作ります。
②脱芒(だつぼう)
籾には、芒(のぎ)帽子の上にアンテナが出ているようなもの、
枝梗(しこう)籾がついている枝みたいなものの跡を取り除きます。
もともとこしひかりには、芒は少ないそうです。
脱芒機(だつぼうき)を使うと大きめの籾が残ります。
小さい籾は、栄養が少なかったり、菌を持っている恐れがあるので、大きめの籾を残します。
もちろん選別されなかった籾は、食べます。
③塩水選(えんすいせん) 比重の大きい塩水につけて、それでも沈む米を選別。米の比重が大きい超エリートを選別する。(塩水は塩を入れるほど比重が重くなる。)
今回は2段階に分けて選別しました。最初比重が1.16以上の米、次に比重が1.14以上の米(海水は、1.02~1.03なのでかなりの塩を溶かした塩水になる。
無農薬の為、通常より選別の基準を厳しくして、良い種を選びます。
③温湯消毒(おんとうしょうどく) 殺菌を行う。60℃のお湯で7分間つける。
④浸種(しんしゅ)130日度(にちど)水に浸す。日度とは、例えば13度の水に10日間なら、累積130日度となる。
籾は、秋に発芽しない為の発芽抑制物質アブシジンサンがある。
浸種をするとアブシジンサンが無くなり、何時でも芽がでていいよという状態になる。
これにより発芽できる状態をそろえる。
芽が出るのが、不揃いだと育ちがばらばらで田植えもしずらく、成長もバラバラだと、小さな稲は日陰になってしまう。これを防ぐ為、発芽をそろえる必要がある。
⑤催芽(さいが)暖かめの水(25℃程度)に1日つけて、一斉に芽を出させてしまう。
この後 水を切り乾燥した状態を作り、種とします。
振り返り終わり。詳しくは過去の2,3月の記事で確認下さい。
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種まき作業
種まきには2種類あります。
Ⅰ、手で蒔く方法。手植えが前提です。
Ⅱ、種まき機を使う。田植え機で植えます
今日はこの両方を行いました。
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Ⅰ手で蒔く
①床土(とこつち)を敷く。
まずビニールハウスの地面を平行にならす作業から始めます。
苗床に土を入れる作業開始
まず苗床にビニールを下に敷きます。
これに土を入れる。これを床土(とこつち)と言う。
苗に使う土は、買ってきた土。
とにかく苗の段階での病気を防ぎたい。
これらの土は焼いて殺菌してあり、菌が無いので、無農薬な分、現状土は買ってきている。
大きな入れ物に土をあけて、苗床に土を入れる。
それを金属のへらで土が平らになるようにする。
苗床に満杯に入れた土から上部数ミリの土を平行に平らにとる作業を行う。
実はこの作業とても重要。
土が少なくて窪みが出来たり、土の塊があり凹凸が出来たりしたらその後の工程にかかわる。
(これは種まき機の作業の際にわかるので、後述します)
かなりの苗床数があるのに、へらは一個しか無いので時間がかかる。
みんな交代で経験させてもらったが、待ち時間が多い。
ユズナが土を入れる作業とへらで均す作業を分ける事を提案して分割して作業する。
苗床とビニールを用意する人、土を入れる人、それを重ねて置いて置く人
へらで平らにする作業に渡す人、へらで平らにする人、終わった苗床を積み上げる人
分割して作業になり、いきなり工場のラインみたいになった。
学生のチームワークは素晴らしい。
へらがもう一つあれば、2ライン出来そうだ。感心して写真に写せなかった。残念!
②種まき。
種の用意
真一が、先週、浸種(しんしゅ)させていた籾を 昨日のお風呂で催芽(さいが)させました。催芽後、脱水、乾燥させたものを用意してきました。
籾から少し芽が出ている。
種まき
まず手で蒔き、手で植える用の種まき
手で籾をつかむ
パラパラっと蒔く
撒き終わった状態。
非常に単純だ。
密度が低い所と密度が高い所の2箇所を作り
育ち具合を実験しようとか、いろいろ話し合いが行われている。
③覆土(ふくど)
上に土をかけます。種は見えなくなります。
苗床が乾燥した平らな土が入っているのだけが見えます。
この状態では、まだ苗は育ちません。
種まきを全て完了させ揃えた状態で、最後に水を蒔くと一斉に育ち始める。
今日は雨のち曇りで寒いのですが、明日は暖かく春らしい気温になるので、今日は用意をして明日水をやる事とします。
ここまでが手で蒔く方法。
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Ⅱ種まき機を使う。
①床土(とこつち)を敷く。
機械を使って床土を敷いて行きます。
ラインを流れてきた苗床に土が被さり、ブラシで平らにされます。
高さを微妙に調整しながら、設定を繰り返します。
今日は人数が多く流れ作業を作ったので、人間のラインの方が機械より早そうでしたが、
人数が少ない時は、これがいいですね。
②種まき。
またラインに入れて一列に種が蒔かれます。機械の爪で土に線をつけてそこに種を落とします。
この列は、田植え機が苗をつかむ場所と合ってます。
よって、種まき機などで正確に種の列を蒔かないと、田植え機で田植えが出来ません。
これが手植えとの大きな違いです。
ここで床土の平らが重要になります。
機械では爪で線をつけてそこに種を落とします。
土が平らでなかったり、窪んでいたりすると種の列が崩れてしまいます。
悪い例 一列にならずに窪みに種が溜まってます。
③覆土(ふくど)
種まきと同時に機械のラインで覆土されてしまいます。
よって機械は楽です。
覆土後の状態。
種まき機の説明 終わり
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プール作成の準備
種を蒔いたら、ビニールハウスにならべるのですが、ビニールシートをまず敷きます。
その上に苗床を並べるのですが、少し芽が育ってきたら、ビニールシートで囲みプールにします。橋をつなげてプールにするイメージ
プールにする事で菌を抑制し無農薬の担保をします。
これを想定して、端の折り目を確保し、その時に回りが歩ける場所を確保してシートをひき、その上に苗床を並べます。
お昼になり、記念写真。
まだありますが、明日までに終わらせる予定、水は、明日撒きます。
みんなで田んぼをとおって家に帰ります。
シゲさん、アキコさん家族とガッチャンは、帰ります。
僕たち7人とカトちゃん、真一が残ります。
昼ごはんをみんなで食べます。
カトちゃんは、米コレクションを持っていて、朝みせてくれました。
昼はいろいろな米混ぜて作ったおにぎりを持って来ていて、みんなに一部食べさせてくれました。
塩もついてなく米だけでとっても美味しい。おんのり甘いかんじ。
ご飯はこれだけで食べるので、おかずは別に分けて食べる。
おかずでご飯を食べなくても良いので、しょっぱいのが少なくできる。など話してくれながら、
みんなに分けてくれてます。カトちゃん、そんなにあげたら自分のが無くなっちゃいますよ。おにぎりも甘かったけど、奥さんのお惚気も甘かった。
そんな僕らは、来る途中で寄ったセブンイレブンで買ったおにぎり。
全然オーガニックでない。
いつか自分たちで作ったお米で昼ごはんを食べたいね。
動いてないと寒い。もっと体を動かしたい!
大学生達からもそのエネルギーを感じます。
なら午後は、全員で土木作業。
4月11日 午後に続く
畦塗り
昨日は、会社のお花見皇居RUN & 飲み会で、眠たくて疲れ気味。
と書くと毎週同じだと言われますが、年度末で本当はかなり忙しいが、それ以外に、送別会や、お花見、来週は部署が変わったので、また飲み会がある。
サラリーマンだからね。週末休めるだけでもありがたい。
朝早く起きて、家を出ると小雨。一人で行く時は、ここの所いつも雨。ここの所暖かかったのに、冬に戻ったみたいに寒く、風も強い。
まったく、神様は試練を与えてくれるぜ!
今日の一番の目的は、開墾した田んぼに水が入ったので、見ることと、水が漏れているそうなので、畦塗りをして修正する事
3月19日の仮畦を作って田んぼらしく見えるようになったので、水当番の人に水を入れてもらえる事になった。
真一が言うには、田んぼとして認められたという事
うれしいー
その後、水が漏れてしまっていると聞いたが、当然 畦と言っても土を積んだだけ、隙間があった。きちんと塗って無い。
早く畦塗りをしなくては!
着いたら、直ぐに着替える。
かわいい。まだ赤ちゃんの苗だ。
今日は銀色のシートを取っている。
保温用もあるが、どちらかというと日射で高温になるのを避ける為、銀のシートをしているらしい。
この赤ちゃんの苗の上にかぶせて良いのか?聞くと
「苗踏みなどがあるように、上からの荷重を与えて強くする」
強くする為に、甘やかさないで、厳しく育てるのか!星一徹 みたいだ。(巨人の星より)
この後は、じょれんと、シャベルを持って田んぼの様子を見に行く。
(じょれん って カタカナで書くとジョンレノンみたい!・・・ジョレン)
何と他の場所にも畦が出来ている。僕の契約している開墾した田んぼ(開墾した上の田んぼと千葉工大にまかせる下の田んぼ)以外の田んぼが大分出来てきた。
これに畦塗りをしていけば良い状態まで出来ている。
彼がいなかったら、僕がやるつもりだったが、週末一日だけの作業でとても出来なかっただろう。
本当にありがたい。
これにみんなで畦塗りすれば、田んぼの完成だ。
そして開墾した田んぼを確認する。
水が入っている。あれっまだ畦が塗れて無いのに少し水が溜まっている。うれしい!!
真一に聞くと、入れた時は、もっと水位が上だったらしいが、水が漏れてしまったみたい。
畦塗りしてないから仕方ないか?
その時の満面の水の様子を見てみたかった。
この田んぼの畦を確認して、道路と水路側以外の下側と横側の畦を全てもっと高く積み上げ、しっかり畦塗りをするのが、今日の作業。
確認していると水路側も低い場所があり、そこも畦を高くする必要がある。
これだけでもかなりの作業量だ。
話は、 真一が耕作している商売用の田んぼの事らしい。一度 水抜きした田んぼは、固くなりひび割れたり穴とか空いて地中にもれてしまうので、水を入れたら、すぐにトラクターで土を耕作してかき混ぜて、ひび割れ、穴が無い状態にしなくてはならないみたい。
そんな事で 真一は今日一日トラクターを行う。
まず下の畦を行う。シャベルで土を積んでいく。田んぼで土が多く 水面から出ている場所やほとんど陸地になっている場所を掘り、土を畦に置く。
じょれんでその他の土をかき集め、畦に積む。どろどろの表面になる。じょれんで撫でて畦を作るが、土台が堅く、隙間が無いか不安。じょれんで撫でる程度では、締まった感じがしない。じょれんで撫でる前に、足で思いっきりキックして、土を圧縮してつぶしてから、じょれんで畦塗りを行う。
下の畦を一通り、自分の田んぼ側から畦塗りを行い。次に反対側から同じ事を行った。
その途中、真一が来て相談があると言う。
トラクターをかける田んぼは遠くなので、トラクターを運転して行くが、お昼の往復は時間がかかるので、軽トラで迎えに来て欲しい。
場所を確認する為、一緒に軽トラで出かける。
真一の商売用の田んぼを見るのは初めて。場所を確認して、お昼になったら、電話する事にして、畦塗りに戻る。
12時のサイレン。下の畦の畦塗りがまだ途中だが、真一を迎えに行かなくては!
泥だらけなので、作業着を脱ぎ、軽トラ乗る。
軽のトラックは、昔ながらのマニュアル車、機構がすごくシンプルだ。
マニュアルを運転するのは10年以上ぶりだろう。ハンドブレーキを下ろし、クラッチを踏んでギアを入れる。
クラッチをつなぎ発進して動き出したら、またクラッチを踏んで直ぐにギアを上げていく。コーナーが近づくとギアを下げてエンジンブレーキ!なんてダイレクトな操作感覚。やっぱりマニュアルはいいなー。軽トラでも運転している感覚が楽しい。渋滞の無い田舎はマニュアルの方がいいかも知れない。
田んぼに着くとトラクターで作業中の真一。
苦労した横の畦
水路脇の作り直した部分
全景
畦がわからないから下側から撮影
温湯消毒・ビニールハウス・種まき・畦水路作り
前日 会社の福利厚生行事として、屋形船に乗り、会社のみんなと翌日は休みだからと言って飲んでいた。
3月28日、土曜日でも、僕は今日は早起き。飲んだ翌日の早起きは辛い。
でも7時までに津田沼に行かなくては。
今日は、千葉工大の学生と一緒に田んぼに行くが、エイちゃんがいなくて、僕が運転する約束。遅れられない!
校門に行くメールで連絡来てたが初めて会う学生、モネ。まず一緒にレンタカーを借りに行く。今日はユズナとあずまちゃんの二人と
初めて会うモネと大金(おおがね)。僕を入れて5人で車に乗る。
最初は、水路と畦作りをする予定だったが、
昨晩まで、真一からいろいろな事を相談されている。
種まきをしたい。温湯(おんとう)消毒をしたい。ビニールハウスにビニールを張る作業をしたい。ユズナもサンプル採集をしたいとメール。なるべくみんなの期待に応えたいが、どうなるか良くわからない。行ってから決めていこう。
9時に着きたいが、桜シーズンの千葉は下りが渋滞している。30分ほど遅れそう。真一から9時には、温湯消毒に行きたいという連絡が来る。
前々回に既に浸種まで行っていたのなら
その前に温湯消毒は終わっているはず。と聞いたら追加分の種を作っているそうだ。
事情があり田んぼが出来なくなり、引き受けた分などがあるのだが、自然農法で行うのだから大変。そこらから買ってくるわけにはいかない。
温湯消毒を僕は見た事が無いので、見てみたい。学生達に聞いたら見たいというので、一緒に行く事にする。
到着が遅れるので、待っていてもらい9時20分頃 到着。
晴れたり曇ったりのいい天気。
みんなで来るといい天気なんだな!一人で来ると雨なのに!!
そこには、真一のつるかめ農園のオーナー制度に募集している2人がいた。
もともと真一は、僕とやっているよりもっと緩い農業体験+収穫権の制度を募集していて、既に実績のある田んぼの一部分で田植えと稲刈や雑草取りなどを体験しながら、お米を手に入れらる制度を考えている。
僕もその制度に加わった一人ではあるが、いきなり耕作放棄地を開墾しているのと、一反の大きさ、ついでにその他の作業もやってしまう所が計画外の男なのである。ついでに大学の研究室まで連れて来てしまったし。
そこに募集している人は何組かいるそうだが、会うのは初めてだ。
今回来ているのは、カトちゃんともっちゃん。
カトちゃんはこの近くに住み始めた移住者で、平日も真一を手伝ってくれそう。とても戦力になるので、期待大。ぜひ一緒にここを育てて行きたい。
もっちゃんは東京からの参加。「東京から参加とはすごいね」と話す僕。すっかりいすみが板についた感じ。東京からの人が増えるとうれしい。
僕が連れてきた学生もいましたが、挨拶もそこそこに温湯消毒に出発進行。
比重1.16と1.13で塩水選した籾を軽トラにつみ真一が出発。その後を2台の車でついて行く。
田舎の道をくねくね進みながら、懐かしい農村の風景が過ぎていく。
着いた所は「風の谷ファーム」。吉田さんを紹介される。「いすみ田んぼの学校」もやっているという。
究極の田んぼの岩澤さんの弟子でもある。真一と同門という所だ。
谷になっていて、ここは風が良く通るんです。と話す吉田さん。
景色が良く建物も古民家で趣きがある。谷の上にはツリーハウスが見える。楽しそうな所だ。
温湯消毒の場所に案内される。どうみてもお風呂。但しOUTDOORのお風呂と言えばいいのか?
「子供達がどろんこになった時に入るお風呂なんです」と吉田さん。
成る程、これで納得。
「いもち病などを農薬無しで防がなくてはならない。自然農法には微生物で殺菌するなどがあるんですが簡単にマニュアル化出来ない。
温湯消毒の60℃7分間が一番簡単で消毒効果がある。」と吉田さんと真一が話している。
同門の兄弟弟子だけあってお互いにいい関係だ。
そのお風呂に熱湯を入れる。最初吉田さんが熱湯を入れ、真一が温度を測り、アズマちゃんが鉄棒でかき混ぜ61℃まで温度を調整した。
ここで籾を入れて7分間つける消毒をしてすぐに水につけて冷やす。
吉田さんは後を任せて、自分の作業をしに行くので、選手交代して配置に付く。
温度を測るのはモネ。熱湯を調整するのがもっちゃん。
籾を2袋入れる。持つのが、アズマちゃんと大金。時間を計るのが真一。
ユズナはこれを記録、写真に撮る係り。
作業の様子。
失礼。これでは体が大きくて何をしているかわからない!
次の写真で勘弁して下さい。
籾を入れ袋の中までお湯を通す為、上下に動かす。すると温度が下がるので、61℃くらいから開始する。
温度の微妙なコントロールが必要で温度計測係りは大切。
たらいに冷たい水を入れてあり、終わったら、直ぐに冷やす。
カトちゃんは次に入れる桶や、冷やした後の籾の入れる場所を作っていた。
僕は・・・みんなが動いてくれるので、1回目は見学。写真をとっていた。
みんな凄いや。こういうキビキビしている分担作業を見るのは気持ちいいね。大歓心をしていた。
時計を計っていた真一も、同じように歓心していた。
1回目はうまくいったのだが、2回目がうまくいかない。58℃、59℃くらいから上がらない。
お湯をどんどん入れるが60℃にならない。入れるお湯の温度を測ると59℃。さっきは70℃くらいあったのに。
なんとか時間を延ばしながら、2回目を終わらせる。
お湯が中々あったかくならない。いろいろ試し検討していく。
検討結果。
・お湯はボイラーに熱いのが溜まり出てくる。どんどん出したので、溜まる前に出て温度が下がっていった。
・温度の低いお湯がお風呂に溜まり水量が多くなったので、少量の熱湯では温度を上げる事は出来ない。
という事がわかる。
そして以下の事を対応。
1.熱いお湯になるのを待つ。真一がボイラーのお湯の温度を確認し、大丈夫になってから開始する。
2.既に温度の下がったお湯は流し量を少なくする。
3.出来る限り風呂の蓋をして、温度が下がらないようにする。
4.1回につける籾の量を2袋から1袋に減らして、温度が下がらないようにする。
を実行。
これ以降はうまく行き、籾を持つ係りや温度を測る係りを交代しながら行った。
僕も籾を持ったが、お湯につけると浮力で軽くなり、7分間持つのは楽であった。
冷やす水も温かくなるので、一回捨てて、7分間の温度が落ち着いている間に冷やす水を入れ替える。効率的だ。途中から僕が時間を測る。真一が7分を後10秒だけ延ばして欲しいと言い、7分10秒の温湯消毒を行う。殺菌をきちんとやりたいこだわりだろう。
チームプレイで全ての温湯消毒を終える。午前中に終わった。
ユズナに直接話してと言ってたので、種もみをわけてもらえないかと直接真一に理由を含めて説明している。車の中でも説明を練習していた。軽く「いいよ!後でね。」の真一の返事。よかった。
吉田さんが現在している浸種の様子を見せてもらう。
吉田さんにがけの上に見えるツリーハウスに行ってみたいとお願いする。
みんなでツリーハウスへ。
おもしろい。こんな所に泊まってみたい。寒くない季節はいいな。
がけを見下ろすブランコとか、ターザンのロープ、滑車のロープがある。
また谷にある木にも大きなツタがある。
学生4人は子供のように遊んでいた。
特にモネが高いところ好きで子供のように上っていてアズマちゃんが心配して声をかけている。微笑ましい風景。
カトちゃんがフキの葉っぱをみつけ、みんなに薦める。
ユズナやモネは小さな若い茎を食べ問題無かったが、アズマちゃんと大金は大きな茎でとても苦かったみたい。
昼ごはんの時まで残っていたみたい。
風の谷ファームに別れを告げて、真一の家に戻ってくる。
温湯消毒後の籾を水につける浸種を行いお昼ご飯とする。
その前に一緒に整備した土地に建ったビニールハウスを見に行く。
立派なビニールハウスだ。素晴らしい。
既に種まきしてある所とこれから種まきをするものがある。
種まきしてある所は更に銀色の保温シートが被せてある。夜は冷えるからね。
その後お昼ごはんをみんなで食べる。時間が無いので、途中のコンビニで買ったものだが、みんなで食べるとおいしいね。
この時初めてカトちゃんともっちゃんとオーナー同士の話をした。
僕の活動は一言で難しい。話し始めると一日が終わってしまう。後でこのブログを送って読んでもらう事にした。
お昼ごはんを食べていると開墾の頃に挨拶したネコを散歩に連れていたおじいさんが来て真一を探している。
真一だけいなかったので、挨拶だけする。
食事後に着替えて、田んぼをみんなで見る。カトちゃん、もっちゃん、モネ、大金は初めて見るので、説明しながら見ていく。
ユズナが前回測量をした結果の図面を見せてくれる。面積計算まで正確にしている。
OUTPUTをきちんと作って来る事が立派だ!
開墾した田んぼは、前回作った畦の水路をふさいでクランクさせて水の入り口が出来ている。こうしなくてはと前回帰り道に考えていた形だ。
真一ありがとう!それにしても雨が溜まらないなと話すと、ずーと雨が降ってないからだと言ってた。
やっぱり僕が一人で来ないと雨が降らないのかなぁ・・・
水を入れる為の旗が立っている。(小さくて見えないかも知れない)
明日以降にこの田んぼに水が入るそうだ。水を入れるのは工区毎の水当番の仕事。
水を入れないと土が固くて、畦作りが上の田んぼは出来ない。
下の田んぼは水があり、水路が壊れているので、修復作業が出来る。
午後の分担を決める。
1.下の田んぼの水路、畦作り アズマちゃん
2.ネコのおじいさんの所のビニールハウスにビニールを張る。ヒデ、大金
(終わったら、水路 畦作りに参加)
3.土壌採取、水採取 ユズナ、モネ
4.種まき 真一、カトちゃん、もっちゃん
真一と学生がやりたい事を全て行う布陣。どうでしょうか?
僕は大金とビニール張りに行く。真一の管理する田んぼが広がり今回作ったビニールハウスでは足りない。
ネコのおじいちゃんのビニールハウスも借りる。ここで作られる苗も今回の田んぼには使われる。
ついたら、真一の最新の家みたいなビニールハウスと違い、昔ながらのアーチのビニールハウス。現在は骨組みだけある。
ここにビニールを貼る。
奥の倉庫に入っているビニールを出してくるが、どれがどれに使うか良くわからない。
大金と広げてみてチェックする。
(おおがねは名前です。広げたのはビニールでありお金ではありません)
大きいビニールハウスと小さなビニールハウスの2つがあるので、まず大きいビニールハウスにビニールをかける。
大きいビニールハウスの上部を覆う一枚のビニールなので、それを四方位置を合わせてかけるのが大変。
一番上の天井にぎりぎり手が届かない。ビニールをかけるのは結構大変。大金ががんばってビニールを上で引っ張ってくれるから、それを支えるが、
端まで行くとせっかく出来た片側が重力でずれて落ちてしまう。
おじいさんも一緒に押さえながらやっと出来たと思ったら、大きな風が吹きビニールが全部取れてしまった。
またやり直しである。
同じようにまたビニールをかけながら、左右と入り口、出口で丁度良い位置になった所で
止め具を出してもらう。
おじいさんに止め具のつける位置を教えてもらいながら、止めている。
おじいさんに貸してもらったそうだ。
この後、下部にスカートみたいにつけていく。これも一枚で非常に長い。大きなビニールハウスはこれをひもで全て縛っていたので、時間がかかった。
おじいさんにビニールは何時までつけているのかと聞くと、苗が出来たらビニールは外すそう。
確かに、紫外線で劣化してしまうので、使わない時は倉庫に入れておいた方が良いかもしれない。その後、小さいビニールハウス(小さいといってもチョット小さいだけ)のビニールかけを始める。小さなビニールハウスの上部と大きなビニールハウスのスカートを分担作業して効率を上げる。
おじいさんが、お茶と大判焼きを出していただいた、2人で小休憩。
そして最後の下部のスカートを途中から止める。ふと大金を見ると、腰に止め具入れをつけて職人みたい。
止め具で二人で止めたので早く完了した。
二人とも田んぼがどうなっているのか気になったので、急いでいた。おじいさんに「それでは、田んぼに帰ります」というと寂しそうにしている。
気になったので「後やる事はありますか」と聞くと ビニールハウスの全ての骨組みの間のビニールに固いビニールの紐を通して完成だったそうだ。
早く終わりたいという気持ちで、中途半端な仕事で帰ろうとしてしまい寂しい思いをさせてしまったと非常に反省して、
ビニールの紐をつけ始める。大金が風上に立って、紐を結び、こちらに投げてもらう。
張力を確かめながら、僕が紐を縛る。ふぅ暑い 汗だくだ。
更にその後から、おじいさんが、鍬で土を少しずつビニールハウスの根元にかけて行く。重しにするそうだ。
完了してから今度はおじいさんに「他にやる事はありませんか?」と聞く。後はビニールハウスの中に種を入れる事だが、真一さんが来ないと出来ないそうだ。
今度は急がないで、おじいさんにさよならして田んぼに戻る。
ネコのおじいさんは、非常にやさしそう。これからも親しくして欲しい!
15:30頃 田んぼに戻ると、アズマちゃんが畦、水路作成をやっていて、モネは土壌採集しているが30cmまで取るのは大変みたい。
大金に畦・水路作成は交代して仕上げる。
アズマはパワーで土壌採取を手伝う。
僕は最後の水路がまだ高いので深くする為掘っていた。深く掘ると、太い茎、堅い石があり、これもかなり時間がかかる。
途中で真一のお母さんが飲み物とお菓子を持ってきてくれた。
みんなに休憩するかと聞いたら、時間が無いので、終わってから頂きます。との返事。
こんな部下が欲しい!
16時半頃、まだ全部仕上げまでいかないが、レンタカーを19:15分に返す為にもうそろそろ帰らなくては!
道具を片付けてみんなで戻る。何故か女性が重たい荷物をかかえている。
戻ってきて種まきの様子を確認する。
銀のシートがかかってないのが、今日種を巻いたところ。
種まき組の種まきも終えて水をやっています。
何と今日やりたい事が全てやってしまった。人が多いだけでは無い。今回集まったメンバーは何かが違う。自然と分担して役割をこなしてしまうのが気持ち良い。
着替えてからカトちゃん、もっちゃん、真一にさよならして車に乗る。
車でさっきの飲み物とお菓子を食べながら、途中のコンビニで追加をして帰る。
夕日が綺麗。田舎を走る車。帰りも僕の運転で帰る。今日の作業の事、研究の事、社会の問題などいろいろ車で話す。お祭りの事やお花見、栃木と茨城の事を話したり会話が面白い。
高速がまた渋滞。19:15分に着く時間に出たつもりだったのに、遅れそう。
モネに電話して、遅れるけど延長料金無しにしてもらう交渉をエイちゃんみたいにしてもらう。
電話が終わって、1時間の延長料金がかかると言われたと報告するとみんなからもっと交渉しなくてはと攻められる。
モネも「追加保険に入れば、1時間延長っていう説明は無かったです」と電話で出張していて彼女なりの交渉だったそうだ。
結果10分遅れで到着。
既に校門に手伝う人がそろっていて、すばやく荷物を積み下ろし、アズマちゃんと大金と別れる。
僕とユズナとモネで車に乗り込みレンタカーを返す。
「今回は延長料金をとりませんから」というレンタカー屋さん。モネの交渉が利いていたんだ。
と話しながら、校門の前で二人とも別れて、津田沼駅に戻る。
今日は引率の先生みたいだった。こんな経験もありがたい。若い人と一緒だと楽しいね。
明日から 上の田んぼに水が入るのが楽しみ!平日に見に行きたいけど年度末なので、平日は予定で一杯。休む所では無い。
でも今回は翌日仕事で無く、明日は日曜。
力仕事の時間が少なかったので、体が楽かも知れない。明日久し振りに合気道に行こうかな。
雨の畦作り
3月19日(木)今日は、メモリアル休暇。会社の制度でメモリアル休暇というものが始まり、特にメモリアルの日が無いので取らないでいたら、3月で無くなってしまうので、仕事の関係で今日しか無いと休暇をとりました。
田んぼに前回トラクターを入れて耕作しているので、早く田んぼに水を入れたい、今週末は行けないで、2週間後は長すぎると思ってまたいすみに行く事にしました。
今回は一人で電車とバス。天気は雨。小雨だし、暖かいから作業できるでしょう。
真一と少し話してから早速、畦の作業に入ろうとする。ビオトープに壁を作ろうとシャベルを入れるが、真一が今回開墾した田んぼよりも高い畦を作れないのではと言う。冷静になって良く見ると確かに難しい。
では昔は田んぼにどう水を引いたのだろう。良く調べると水路の端が土管になっていて、道の向うにつながっているみたい。道の向うの田んぼを見ると そこから水がつながっている。また給水設備も見える。
こちらから水をもらうように工区の水担当に相談しよう。
となると 今日の作業は開墾した田んぼの畦を作る作業になる。
作業前の写真。畦はまだ低い。
過去に畦シートが使われていたが、古いので、それを取りながら、畦を作る。畦シートの手前を30cmくらい掘って積み上げるのを繰り返し、畦シートを後でまとめて取る事を繰り返していた。
真一は、反対側の水路作成時に畦を仮に作った場所の畦塗りをしている。この仕上げはきれい。コンクリートみたいにきれいに仕上がる。
またじょれんを使う作業が軽快。じょれんの重さで土をすくい、それを落とさないように振って戻し、畦に土を置き、畦の横を押す。
その状態だけでこんな立派な畦になる。
こらがある程度進んだら、横と上をじょれんで慣らす。
職人の手つきみたい。掘る作業ばかりだと疲れるから交代しながらやろうと言われてやり方を教わる。僕がやるとうまく行かない。遅い上に汚く、載せる土の量も少ないので、何回もやる事になる。
交代してがんばったがスピードが遅い、真一が用事があり戻った時に、今日 仮でも畦を周囲に作りたかったから、掘る作業に戻った。馬車馬みたいに掘り続けるなら得意であるし、スピードもまあまあ速い。
長い長辺を半分くらい終わった所で、昼ご飯。
修子さんがいなく二人でスーパーに買い物に行く。28日にコストコが来ると書いてある。ここのスーパーにコストコが来るとは何だろう?
昼ご飯を食べて小雨が降る中をまたひたすら掘る作業を続ける。ザリガニが出てくる。カエルが跳んでいく。ミミズがいる。小さなクモがいる。沢山の生き物が動き始めているな。
真一にアメリカザリガニはどう?と聞くと畦に穴を空けたり、稲を切ってしまったりする。と言う。では、沢山増えたら大変じゃん。と言うと。
生物のバランスで鳥が捕まえたりするからそんなに増えない。コウノトリが来るような田んぼにしたいね。と答えてくれた。
ここの田んぼ3面全てを畦をしっかり作って、冬に水を貯め、鳥が沢山来る環境にしたいなどを二人で話す。
雨が降っているが、寒くないから気にならない。ヤッケしか着てないからパンツまでびしょ濡れであるが、マラソン大会でもそのような事は良くある。動いている間は大丈夫。
4時頃に全ての畦シートを取り、仮に畦の作成が終わる。
水路ではありません。畦シートをとる為、穴を掘りその土を畦の上に置いたのです。
まだまだ隙間があるが、きちんとした畦にする時間は無い。積み上げた上を歩いて足でつぶしながら、ある程度平らにする作業だけしていた。
結構高くなったのですが、写真で見るより実際の方がいい感じです。
真一が戻ってきて、水路側の畦だけ綺麗に仕上げた。
ここで雨が激しくなってきて、とても作業で無くなったので、今日はこれで終わり。目標だったとりあえずの畦を作る事は成功。春の雨で少しでも水が溜まればいいな。
全身びしょ濡れで着替える。着替えのパンツを忘れた。帰りはノーパンでジーンズだ。ブログ読んでいる人ごめんなさい。
以前買っていた米のビールが真一の冷蔵庫に残っていた。これを買った日に陣痛が起こって出産だったから飲む暇が無かったんだ。
二人でビールをのむ。労働の後のビールは美味しい。米のビールはすごくおいしい。千葉県山武郡で作っているみたい。
雨のおかげで早めに終わらせて、ゆっくり話す時間が出来た。ビールを飲みながら、来年、再来年の未来の話をする。
最後にもう一度、仮の畦を作った田んぼを見てから帰る。
夕暮れ時に傘をさしながら写すが、見た感じが再現できない。
結構 立派な光景だよ。自画自賛。
まだまだ、畦をしっかり作ったり、水路を深く掘ったりしなくてはならない。
また下の田んぼは水で溢れている。
最後の道の脇の水路に水が流れているが、ここの高い所をもっと掘れば解決するかも知れない。でもこの前掘った水路に水が流れている光景は、エイちゃんに見せてあげたい。
なんて話しているとバスの時間。
18:05分のバスに乗り茂原で外房線に乗り換え帰りました。
平日の上りは空いている。靴を脱いでボックスシートに足を投げ出して眠ってしまいました。
新しい仲間
新しい仲間
エイちゃんも一緒に採取に加わる。
エイちゃんを中心にチームが統率取れてていい感じ!
作業の人数も多く、測量で黄色い服と大きな声が飛び交っている田んぼは活気に満ち溢れている。
水の通り道
雨の中 電車でいすみに向かう。今週は春みたいな温かい日があったのに、今日は凄く寒い。・・・と書くと毎回 同じ事を書いているとつっこまれそうだが、日曜日が3週間続けて雨なので仕方ないでしょう。
冬は晴天率が高いのに、何かを始める時には、神様が試練を与えるのですね。
雨はやむと信じて向かうが、やまなかったら、真一・修子さんの赤ちゃんを見るだけでも行く価値があるかなと考えてました。
到着して、真一に様子を聞く。出産や赤ちゃんの話と7日に行ったいすみのシンポジウムでの話しである。真一がいすみでは無農薬自然農法の田んぼとしては一番大きいのでは?と話すと、今はそうだが、もっと大きい農家が沢山ある。そこが一気に無農薬自然農法をするとなったら、あっという間に越えられてしまう。一番を争うので無く、真一の取り組みがいすみ全体に伝わり、市が無農薬の田んぼが名物・ブランドになればいい。そのきっかけになれば、など話ながらも まず 水路の挨拶に行こう。朝一で行かないと出かけてしまうから。と挨拶に行くが、今回も不在。残念。真一も今週は出産、シンポジウムなどで余裕が無かったので、なるべく平日にお願いする。
戻ってきてコタツに入りながら今日やる事を考える。
耕作放棄地を去年まで復元してきた場所と今回復元している場所と全体を図にして、水路、畦の配置を考えて、高低差を考えながら、水の通り道を決める。
深すぎて稲が植えられない所は、そのまま池にして、生物が住めるビオトープにする、いろいろな種類の米を植えて試す実験場も作ろう、こどもが遊べるどろんこ広場も作ろうなどと話がながら、図に書き込んで行く。一緒に考えているととても楽しい。ピンクのマーカーが畦である。
ビオトープの場所が水の入り口だが、そこの田んぼにそのまま水を流さず、高い畦で止めて、今回 開墾した田んぼに水を流す。この田んぼが一番位置が高い。
その後、ビオトープの田んぼに流して、順番に下の田んぼに流す。
下の田んぼも水を流す水路と入れる場所を別に作る。水が欲しいときは入れるば、雨などが振り続き入らない水は田に入れず水路で流さなくてはならない。そんなに高低差が少ないので、深く掘った水路には、全て流れずに水が残る。広めに作って生物が生きる場所にしたい。稲刈などで、田んぼの水を抜いた時も生物がそこの水路、ビオトープで生きられるようにしたいなどと話す。ミミズは田んぼの水を抜いた時にどうなるの?と聞くと、稲刈の時に抜いただけなら、土の中に潜って生きていて、水を冬の間入れているとまた増えていく。冬に不耕起で冬季湛水(とうきたんすい)をするなら、秋の稲刈の時だけ水を抜いても行き続ける。回りの水路、ビオトープなども重要みたい。
2月に作った水路は、隣の高い場所の敷地から今回開墾した田んぼに水が流れ込まない為の水路。この水路を下の田んぼにもつなげる。また下の田んぼも水路が無いので、全体に水路を作っていこう。と話し、最後の水を流す場所まで繋げる水路はまた許可をもらってからやる事にして(土管などがあり、昔は使われていたみたいなので、そこも復旧するという事ですが)それ以外の場所の水路を作る。
久し振りに田んぼの復旧作業です。今回自分が契約した範囲を超えていると言われても、その田んぼは、一番高い位置にある。そこに水を最初にもらい下の田んぼに流す。最後の田んぼまでの事を考えてやりたい。
会社では、次工程を意識し、「次工程はお客様」と意識して、工場でもプロジェクトでも行う。同じだ。
今日はこの区画一帯の水路を作る。
最後、出口に繋げる所が許可取れてないので残るが、土管など過去に水路の跡があり、復旧作業する形なので作業として僅か残すだけでしょう。
まず水糸を張って位置決めしよう!
と外に出たら、真一が「汚れる前に赤ちゃん見てかない?」
本当は見たかったが、まだ修子さんと赤ちゃんが昨日退院したばかりなので遠慮していた。
家の奥に上がらせてもらい、赤ちゃんとご対面。
わっ・・・かっわいいーー
凄くちっちゃくてかわいい。
寝てる顔も、欠伸も、もぞもぞ動く様子も、少し出す声もみーんなかわいい。
自分の子供が産まれた頃を思い出し
修子さんに出産の話を聞きいつしか時間が過ぎて行く。
今日は、赤ちゃんと会うだけでもいいかな?
赤ちゃんをお風呂に入れるタイミングとなり、やっと作業に戻る。危ない。かわいすぎて作業を忘れる所だった。
まだ小雨降る中を、杭を立てて水糸を引く。土木作業の位置決めの時、直線を引き、邪魔にならず、切れず弾力がありとても便利。ただ結ぶ為、手袋を外すのが冷たく寒かった。
位置を決めながら、回ってみるとビオトープに沢山のカエルの卵。
カエルは、虫を食べてくれるので是非育って欲しい!
位置決めが終わり、邪魔な抜いた大きな根っこを移動する。2人がかりでないと移動できない。土が沢山付いているから重い。真一が少しでも土を落としたいと僕が根っこ裏返して押さえ、真一が土を取る。農業を始めたら土は大事になり、トラクターの車輪で外に出してしまうのも勿体無いそうです。昼のサイレンが鳴り昼ごはんにする。
昼ごはんの間も、真一は仕事の電話。ビニールハウスやら新しく引き受ける田んぼの事などの調整。僕は動かなくなったら寒くなりこたつに潜り込んで横になりながら真一の話しを聞いていた。
午後の水路作成について僕が話す。
「位置を決めたから午後は、俺一人でやるよ!真一は自分の仕事してて。」
落ち着いたら真一に来てもらう事にして一人で作業に出る。
雨はあがったが風が強く寒い。
図面のイメージを作る為、新しい水路を不完全でも一通り作って見よう。
但しビオトープの畦は、カエルの卵があるので今回は手を付けない。バケツで卵を移動してからだ。
下の田んぼは、水が多く柔らかそう。と見えるが、シャベルを入れると細かな根っこがあり切るのに力がいる。土は水を吸って重く、粘土なので、シャベルにピッタリ付いて離れない。足が田んぼに潜って取れなく転んでしまう。大変だが最初と最後を少し掘りやり始めたたらそれを繋げたくなってしまう。
一人でやっていると写真を撮る余裕が無い。やる前があまり撮れてない。途中でまとめて撮った。
水が通る瞬間を見たい。水路を掘りあげた土の中が畦になる。繰り返し作業しほぼ水路を繋げた。物凄く疲れてる。腰が重たい。2時間くらいなのになんでだろう?
真一が3時半ごろ作業に加わる。
チェックすると水路は細く曲がってる。大丈夫まだまだ修正できます。2人で、広く真っ直ぐに修正する。
一人の時とこんなに違うのか!声を掛け合う。おしゃべりをする。作業を分担し大変な作業は交代する。
真一の道具使いの上手さもあり修正作業は進んで行く。僕は、一人の時の負担が響き最後は、力が入らない位になってしまった。腰も辛い。
真一が「休憩しますか?」助かった〜
休憩しながら苗箱の計算を行う。
①田んぼ一坪180×180cmに必要な苗の数。
縦に6列(田植え機を使う前提で)で横に9列から10列だと約一坪に50~60株植えます。
②田んぼ1反に必要な苗の数。
1反300坪 15000株~18000株
③苗箱30×60cmで育てる苗の数。
20列×40行で800株
④一反に必要な苗箱の数18.75~22.5⇒約21箱で計算
⑤今回のビニールハウスで育てられる苗箱
6m×22mの大きなハウスに置ける苗箱の数約540枚
⑥真一管理の田んぼに必要な苗箱数
2.57町=25.7反 ×21箱=539.7
ぴったりだ。
⑦また新たに頼まれそうな田んぼに必要な苗箱数。
1・5町 とても入れない。
田んぼを行っている人の年齢が高齢化し、維持出来なく真一みたいに真面目にがんばっている人に相談が来る。
真一は 就農しある程度拡大しなくてはならないが、段々個人の限界を超えてきそう。こんなに大きなビニールハウスでも間に合わない。自然農法をしたいので、丈夫な苗を作るのに日数がかかる。(農薬と化学肥料で作る慣行農法はヒョロヒョロの苗で日数も短いみたい)
今回ビニールハウスの設置が遅いので、2回回すのも考えるが、無理がある。知人に借りるか?引き受けるのを辞めるか?田んぼで苗を育てるやり方もあるが、まだ自然農法で未経験なのに、いきなり大量には出来ない。今やっている人は、何十年もその農法にあったやり方で、少しずつ広げてきた人達だ。
苗だけでは無い。量が増えたら、田植え、稲刈、通常の管理はもとより、乾燥、脱穀、保管場所(一定の温度、湿度で乾燥させても湿気が残っているので、カビが発生しないようにする、またネズミに食べられないようにする)などが必要になる。真一も相談するし、周りの農家の人もいろいろ声をかけてくれている。
今日も、二人で作業中に、道に車が止まり猫のおじさんが降りてきて話した時は、乾燥機の話しだった。乾燥機2台は必要だな。などと話していた。
一年に一回しか使わない設備を農家がそれぞれ用意する。貸したり借りたりもあるが、自分で設備を用意して一人前!また作業が増えると人も必要。例え機械でやるにしても、その受け渡しなど作業の人がいるかいないかで効率が違う。しかし人を雇うには一年に一回のイベント的仕事が多く年間の仕事の保証は出来ない。
田んぼに新たに本当に就農しようとするととっても入りにくいと思った。規模を大きくしていくと課題は増える。鶴亀農園はもっと大きくなって欲しい。
機械や倉庫はもっとカーシェアリングみたいな仕組みが作れないか?
車だって、一家一台持つより効率的に使う仕組みが出来ている。一年に一回のものを買うのは、すごくハードルが高い。
人を増やすのか?など僕も考えるが、答えはすぐには出てこない。
今、僕が出来る事は、現在の自然農を経験して、観察して、記録してこのページで発信する事。もっといろいろな人の知恵で革新的な解決が出てこないかな?
なんて話していると日が暮れてしまう。最後の仕上げと道具の片付けをしなくては。
もう一度、外に出て作業完了させる。
広く真っ直ぐな水路に変わった。
体中泥だらけ。
家に戻って着替えると非常にうれしい。乾いた服がありがたい。
二人とも疲れてて、真一の赤ちゃんの事もあるので、今日は長居しないで帰る。長者町まで送ってもらい外房線に乗って帰る。雨がまた降り出した。午後だけやんで良かったな。
帰り道も水の流れに想いを寄せる。
畑への耕作機導入の道に水路を掘るのは、橋も作らなくてはならないので、今日やらなかった。そこで全ての水が止まってる。其処に水路を作れば、水ご下に集まり既存の土管への水圧が増え、最後の水路が無くても流れて行くかも。うぅーやってみたい。たった2m程掘るだけだ。
電車に乗りながら田んぼに戻りたい衝動にかられました。
来週までのお預けです。
お風呂に入り、腰にすぐに湿布を貼る。痛くなりませんように!顔がうっすら焼けている。あんなに曇り空で寒かったのに。春や夏の晴天の日は焼けそう~
今日もいろんな事があったな。
新しい命
さすがに土日の2日間のいすみへの通いと2日続けてのハードワークと夜までの残業。疲れは残るが、今日は大事な会社のPJの節目の日。気を抜けない。東京のサラリーマンはどんなに前の日疲れてても、飲んでいても、朝8時にはデスクで仕事をしている。実は、一番体力のいる仕事ではないだろうか?
月曜日、一人で残りの作業をしているのが気になり、昼休み真一に電話する。
すると、なんと修子さんの陣痛が、始まったという。一週間早い。
良く聞くと、昨日茂原の駅に送ってもらった時に、修子さんも一緒だった。その帰り道から陣痛が始まったらしい。
家族、親戚みたいに気になる。夕方は外出し、打ち合わせが終わって帰る途中に真一からメッセージ
ヒデさん、生まれた!男の子。
電車の中だったが、やったー、ひでき感激。
新しい真一の子供の為にも、田んぼはがんばろう。
何か去年の11月に知り合った鶴渕家にこんなに浸かっているのが不思議でなりません。