The way to Rice Paddy Administrator

サラリーマンが、週末活動で、無農薬、無肥料の田んぼを作る実験記録です。

一人稲刈り

9月の2週目から毎週 出張が続く、名古屋、長野、九州、日本中どこにいっても雨。
秋雨前線の中、台風が何度も来て、日本中に被害をもたらしている。
5日に稲刈して干してきた稲や、刈り残して来た稲の事が気になっていた。
 
当初は、人でかれなかったらバインダーで刈ろうと話していた。
稲刈の機械は、コンバインが車みたいな大きさの稲刈機だが、バインダーは、手押し車程度
地面がやわらかすぎて、コンバインはこの田んぼに入れられないが、バインダーは乾かせば入れられるだろう。
ところが、連日の雨で地面が乾かない。
 
真一からも、まだそのままになっていると連絡が来ている。
9月のシルバーウィークも仕事が入る中、なんとか都合をつけて、9月22日に稲刈の続きをしに行った。
僕も仕事の予定と天気から行く日を決めたのが、ギリギリなのと、シルバーウィークの連休なので、人を集めてない。
今日は一人で稲刈しなくては。
この連休に入ってからやっと晴れが続いている。地面も乾いているかもしれない。
 
前日も深夜に帰宅しながら、5時起床。6時に家を出るが、またも睡眠不足。
総武線の快速に乗り直ぐに爆睡をして起きると都賀駅
やばい、千葉駅乗り越した!危うく成田に行ってしまう所だった。
茂原への到着が一本遅れると午後のバスしか無い。せっかく早く起きた意味が無くなってしまう!
すぐに上りの電車に乗り換えたら、千葉駅発の電車にギリギリ間に合った。もう一駅乗り過ごしていたら、間に合わない所でした。
茂原からバスに乗り、9時頃、真一の家に着くと、既に真一はいない。
彼も長雨で沢山の田んぼの稲刈が出来ず、この少しの期間の晴れ間に集中してやらなくてはならないので、必死なのだ。
 
直ぐに田んぼの様子を見に行く。まだ沢山の稲が残っている。

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・刈り残した稲は、まだ倒れもせずにがんばっている。稲刈して下さいという様子。
・天日干し した稲もそのままだが、この連日の晴れで乾燥している様子。
後で聞いたら、水分量がまだ多いから、もう1~2日 晴れで干しておいてから脱穀(だっこく)する。(もみを穂から、はずしてバラバラにする)
それでも水分量が多いから、その分は今年中に食べるくらいが良い。
長期間保存するなら、もっと水分量を減らさないとカビてしまうそうです。
 
修子さんとお母さんに挨拶をして
早速 着替えて、長靴を履き、鎌を持ち、一人で、稲刈に行く。
田んぼに入って歩くとまだ長靴のギリギリまで沈む。
しかもこの粘土の土で引き抜くのが大変 力を使う。
「あっ」次の瞬間 長靴が抜けて、靴下が泥の中にズブリ。
まだ始まっても無いうちに、足が泥まみれ。
これではとても作業出来ないと判断し、田植えで使った、田んぼ用長靴を履きに行く。
田んぼ用長靴は、抜けないが、既に長靴の中は、泥まみれで濡れている靴下。泣けてくる。
まだ稲刈始まってもいない。
 
5日と同じくらいの泥の中の作業。但し足がはまって動けなくなっても一人しかいないから、「きゃあ助けて~」なーんて言っても誰も助けてくれない。
黙々と足を引き抜き稲刈をするのみ。
歩けないので、足を動かさない範囲で体をねじりながら、刈り、稲は、泥だらけの場所に置けないので、プラスチックの箱に入れる。
周りに刈る稲が無くなったら、一歩踏み出す。
プラスチックケースが遠い。更に体をねじる。バランスを崩して転びかけ、泥の中に手をつく。軍手も泥まみれ。
プレスチックケースが直ぐに一杯になる。畦まで刈った稲を置きに行く。これも泥の中で足を取られながら行う。
前回 みんなで分担した作業を一人でやっている。この泥の中で非常に効率が悪い。
 
チョットやっただけで、今日終わらないなと思った。広大な稲と泥だらけの足元では、鎌だけで行うのは眩暈するみたいだ。
 
少し考えて、畦の近くからやって行こうと考えました。
理由
・刈った稲を畦に置くための歩く量が少ない。
・畦に近い場所は雑草が多いが、ぎりぎりまで稲を植えていて、雑草と稲が混ざっている。
 後で機械を入れるにしてもそこは、手が必要だろう。真ん中は、稲だけなので、真ん中を残そう。
・またバインダーを入れる為には、開墾当時から土が少なく乾きそうも無い水が貯まっている所は、どうせ手で刈らなくてはならない。
 その厳しい場所を刈ろう。
 
畦の近くを雑草とより分けながら、刈る。でも少し欲が出て、畦のそばだけで無く、少し置くまで刈ったりしている。
畦の周りを刈る前 畦がどこかもわかりにくい。

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畦の周りを刈った後、非常にすっきりしました。

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道路側の場所は、より雑草が多く、見ただけで手をつけたくないような状態でした。

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それでも根気良く刈って、雑草を抜いて行くと、稲が明確になって、すっきりしました。

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これらを続けていくときれいに真ん中に稲だけのエリアが残ってきた。

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11時半、2時間半でまわりをある程度刈った。 汗だくになり、田んぼに水を持ってくるのを忘れていて取りに行く。
 
すぐに戻ってきて、更に水が貯まっている場所を手刈りする。お昼のサイレンがなる。
とても終わらないので、続けている。
12:30頃、泥にとられた足を力一杯抜いて歩いているとなんと腿の裏側がつった。
ここの筋肉はつった事など無い。それも両足いっぺんにつってしまい、田んぼの真ん中で動けなくなる。
誰もいない田んぼの中で、どうしたら良いかわからずに、前屈をしたり、痛みが無くなるのを待つ。
痛みが無くなったが、3時間半やっただけで、体の限界がやってきた。
 
ここの所、出張が続き、せめてランニングくらいしようかとランニングシューズを持っているが、
雨が続き運動できない。運動不足の中年サラリーマンが、いきなり、この作業は体に無理があるかも。
腰も非常に疲れて来た。
 
とりあえず、真一の家に戻り、板を地面に敷いて横になる。
少し眠っていると、真一が帰ってきた。軽トラを貸してもらって、昼飯や水を買いに行く。
真一もこの晴れ間の作業が忙しく、時間が無い中質問する。
 
「とても、今日終わりそうが無いどうしよう。午前中 沢山刈ったが干す場所が無い、畦に置いたまま乾燥出来ないか?」
真一の答えは、
「今週25日まで晴れ26日にまた雨が降る。25日までに少しでも乾くように風通しがいいように刈って欲しい。真ん中に一列刈り風を通すとか。
また畦に置いたままは駄目、竹のあまりがあるので、それを組んではざかけを作り、わらで縛って干して下さい。
それが今日中に出来る量を刈りましょう。夕方 何とか時間を作り見に行きます」
との回答
僕は、「今日 やれるだけの事はやっておく」と話す。
真一とカトちゃんで他の田んぼの稲刈をしているが、とても大変そう。
稲刈だけで無く、乾燥させ、お客様への出荷などを一人でこなしている。
また直ぐに行ってしまう。
 
午前中 畦の周りの稲刈をやっていた作業は正解だった。雑草の生えてない真ん中の稲の間は隙間が多いが、
畦のまわりは、雑草と混じり、隙間が無い。
周りを刈った事により、すごく風通しが良くなっているように見える。
少なくても朝来た時とは全然違う。
 
1時半まで体を休めた上で、作業再開。
はざかけ用の竹を田んぼに運ぶ。
これを作る位置まで、稲を運ばなくてはならない。
午前中に刈った稲が、畦の周りに置いてある。
結構 大量にある。稲を一つの場所に運ぶだけでも大変。
運んでいるとネコのおじいさんがやってきて、いろいろ話をしてくれるのだが、余裕が無くあまり長く話しが出来なかった。
田んぼの端から端まで手にかかえて、崩れてきた畦を通りながら、稲を集める作業が終わってすでに3時近く。
ここから、束ねて、干すだけで、今日ギリギリかもと思えた。
一人稲刈は、
・刈る。
・刈った稲を移動する。
・はざかけを竹で作る。
・稲をわらで束ねる。
・束ねた稲を干す。
全部 一人で行わなくてはならない。
しかも、刈る作業や、はざかけを作る作業、干す作業は、泥の中との格闘をしながらの作業となる。
午前中 太腿がつったのに、それを休めている暇は無い。
5日みたいに、人が沢山いて、分担して作業する方が楽なだけで無く、楽しかった。
今日は、これだけの作業を一人でやるのはとても寂しい。
人がいる事の大切さを感じました。
 
よせばいいのに、こう考えながらも、昼休みに真一に言われた真ん中に風を通す為の稲刈が出来て無いので、それだけでも行おうとまた稲刈作業に入る。
やっぱり、真ん中は、泥の中を歩くのが多くつらい。刈って、運ぶのに時間がかかる。
でも時間が無いから、休んでられない。後少しで、風の通り道ができる。
うっ また 足がつった。カラータイマーみたいに、僕が動ける時間は残り少なくなってきている。
田んぼの中で立ちながら、回復させる。
トライアスロンの水泳に出た時に、海の上で海流に逆らって泳ぎながら、両足がつった事を思い出した。
あの時は、手で乗り切ったが、田んぼの上は手で歩くわけにいかないな。など考えていた。
 
なんとか風通しの真ん中の一列を作りました。

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その稲を全て運び終わったのが、4時半くらい。
これを全部干さなくては。
 
大量の稲があり、気が遠くなる。今日 干さなかったら、これらの稲を駄目にしてしまう。
まず はさがけを田んぼに作るが、既に足がふらふら、泥の中を歩くのが牛歩の動き。
 
はさがけを作り、わらで縛って、稲を天日干しする。
一人でやっているととても効率が悪い。歩くだけで大変。
5日も足場が悪かったが、複数人で、手渡しでどんどん干していた。
一人だとそれが出来ない。
 
欲張って、長い竹で沢山干す場所を作ったら、竹が大きくしなって、曲がってしまう。
また三脚を作った場所が傾いてくる。
なんとか助けようと三脚を支えに行ったがもっと倒れてきて、最後には僕の体も一緒に倒れてしまう。

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体はどろどろ。もう一度やり直し。
 
夏と違い日暮が近づいてくる。沈む日がまぶしいのでサングラスをかける。
真一のお母さんがお茶とお菓子を持ってきてくれた。
ありがたい。ここで一休憩。
お菓子をほお張りながら、作業再開。
 
竹を短めにして干していく。はさがけ足りるかな?
また竹をとりに行ってたら、時間が無いな。
間に合っても、この大量の稲を天日干しにする時間が無い。
 
焦って作業していると真一がやってくる。
はさがけがしなって、倒れた話を言うと、
・はさがけにばってん入れた方が良い⇒ばってんの意味がわからなかったのだが、真ん中にクロスして立てる支柱の事。
・三脚の三角が出来て無い、これではまた倒れる。
・稲を束ねる時に、下を揃えてないので、バランスが悪い。
・稲を集めて、畦に置いた時に、畦に立てかける様に置いているが作業がしにくい。もっと横に置かなくては。
などの注意点を教えてもらう。
はさがけを直そうとしていたら、
もう時間が無いとカトちゃんに電話をかける。
カトちゃんは米の乾燥作業をしていたみたい。
至急、手伝って欲しいとお願いして、僕と真一は束ねるだけ行い、カトちゃんにはさがけを直してもらう。
 
このはさがけを直すだけも泥の中大変。カトちゃんも長靴が脱げてしまいながらも、綺麗に作り直してもらった。
真一の稲の束ねるスピードは、速い。
夕暮れまでに間に合うか、もう日が沈んで当たりは暗い。と見えていたが
ふと気づいて、サングラスを取ると、まだ明るかった。
カトちゃんに、何か時間 得したみたい!と話して、真一がなんとか日暮れまでに終わると話してくれる。
 
束ねた稲をかける作業は、泥の中を歩くのは大変なので、真一とカトちゃんで二人で受け渡し作業を行う。

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僕は束ねて縛る作業に徹している。一つの作業だけしていると効率が良い。終わらないと思っていた稲がどんどん少なくなっていく。
 
一人でやるととても時間がかかる作業があっという間に終わってしまう。
 
なんとか今の竹の量でぴったり間に合い、真っ暗になる直前で終わった。
最後に手伝ってもらい助かった~
やっぱり、一がいると違う。
今日 もう二人くらい集められたら、終わっていたかもしれない。
 
真一が 後は何とかすると話してくれる
真一の家に帰り、着替えて、修子さんの入れたお茶を飲みながら、赤ちゃんと遊んでいると
真一は、作業しなくてはならない田んぼの一覧を眺めながら、作業の検討をしている。
やっと晴れたこの期間に作業を終わらせなくてはという事であたまが一杯みたい。
 
僕が「次の雨が降るのは26日だよね?」と聞くと、テレビをつけて、地デジのデータを呼び出し、週間天気を確認する。
なんと今まで26日から雨だったのが、一日早まり、25日から雨になっている。
 
呆然とする真一。修子さんと二人で、今年はしょうがない。晴れの間にやれるだけの事をするしかないよ。
と話している様子から、今回の長雨で農家も大変なんだとつくづく感じました。
 
疲れている彼に負担をかけたく無いので、バスで帰ろうとしたが、既にバスが無く、修子さんの運転で、真一が赤ちゃんと一緒に後部座席に乗り、長者町駅まで送ってもらう。
電車に乗り、上総一ノ宮までは、何とか寝ないようにして、そこで東京行きの快速に乗り換える。
 
体は限界で、すぐに寝てしまい、目が覚めたら、もう錦糸町。
僕の中でもやれる事はやりましたが、一人でやるものでは無いかも知れない。
体制を含めて課題があるなと感じています。