The way to Rice Paddy Administrator

サラリーマンが、週末活動で、無農薬、無肥料の田んぼを作る実験記録です。

温湯消毒・ビニールハウス・種まき・畦水路作り

前日 会社の福利厚生行事として、屋形船に乗り、会社のみんなと翌日は休みだからと言って飲んでいた。
3月28日、土曜日でも、僕は今日は早起き。飲んだ翌日の早起きは辛い。
でも7時までに津田沼に行かなくては。
今日は、千葉工大の学生と一緒に田んぼに行くが、エイちゃんがいなくて、僕が運転する約束。遅れられない!

校門に行くメールで連絡来てたが初めて会う学生、モネ。まず一緒にレンタカーを借りに行く。今日はユズナとあずまちゃんの二人と
初めて会うモネと大金(おおがね)。僕を入れて5人で車に乗る。

最初は、水路と畦作りをする予定だったが、
昨晩まで、真一からいろいろな事を相談されている。
種まきをしたい。温湯(おんとう)消毒をしたい。ビニールハウスにビニールを張る作業をしたい。ユズナもサンプル採集をしたいとメール。なるべくみんなの期待に応えたいが、どうなるか良くわからない。行ってから決めていこう。

9時に着きたいが、桜シーズンの千葉は下りが渋滞している。30分ほど遅れそう。真一から9時には、温湯消毒に行きたいという連絡が来る。

前々回に既に浸種まで行っていたのなら

その前に温湯消毒は終わっているはず。と聞いたら追加分の種を作っているそうだ。
事情があり田んぼが出来なくなり、引き受けた分などがあるのだが、自然農法で行うのだから大変。そこらから買ってくるわけにはいかない。
温湯消毒を僕は見た事が無いので、見てみたい。学生達に聞いたら見たいというので、一緒に行く事にする。

到着が遅れるので、待っていてもらい9時20分頃 到着。
晴れたり曇ったりのいい天気。
みんなで来るといい天気なんだな!一人で来ると雨なのに!!

そこには、真一のつるかめ農園のオーナー制度に募集している2人がいた。
もともと真一は、僕とやっているよりもっと緩い農業体験+収穫権の制度を募集していて、既に実績のある田んぼの一部分で田植えと稲刈や雑草取りなどを体験しながら、お米を手に入れらる制度を考えている。
僕もその制度に加わった一人ではあるが、いきなり耕作放棄地を開墾しているのと、一反の大きさ、ついでにその他の作業もやってしまう所が計画外の男なのである。ついでに大学の研究室まで連れて来てしまったし。
そこに募集している人は何組かいるそうだが、会うのは初めてだ。
今回来ているのは、カトちゃんともっちゃん。
カトちゃんはこの近くに住み始めた移住者で、平日も真一を手伝ってくれそう。とても戦力になるので、期待大。ぜひ一緒にここを育てて行きたい。
もっちゃんは東京からの参加。「東京から参加とはすごいね」と話す僕。すっかりいすみが板についた感じ。東京からの人が増えるとうれしい。

僕が連れてきた学生もいましたが、挨拶もそこそこに温湯消毒に出発進行。
比重1.16と1.13で塩水選した籾を軽トラにつみ真一が出発。その後を2台の車でついて行く。
田舎の道をくねくね進みながら、懐かしい農村の風景が過ぎていく。

着いた所は「風の谷ファーム」。吉田さんを紹介される。「いすみ田んぼの学校」もやっているという。
究極の田んぼの岩澤さんの弟子でもある。真一と同門という所だ。
谷になっていて、ここは風が良く通るんです。と話す吉田さん。
景色が良く建物も古民家で趣きがある。谷の上にはツリーハウスが見える。楽しそうな所だ。

温湯消毒の場所に案内される。どうみてもお風呂。但しOUTDOORのお風呂と言えばいいのか?
「子供達がどろんこになった時に入るお風呂なんです」と吉田さん。
成る程、これで納得。

「いもち病などを農薬無しで防がなくてはならない。自然農法には微生物で殺菌するなどがあるんですが簡単にマニュアル化出来ない。
温湯消毒の60℃7分間が一番簡単で消毒効果がある。」と吉田さんと真一が話している。
同門の兄弟弟子だけあってお互いにいい関係だ。

そのお風呂に熱湯を入れる。最初吉田さんが熱湯を入れ、真一が温度を測り、アズマちゃんが鉄棒でかき混ぜ61℃まで温度を調整した。

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ここで籾を入れて7分間つける消毒をしてすぐに水につけて冷やす。

吉田さんは後を任せて、自分の作業をしに行くので、選手交代して配置に付く。

温度を測るのはモネ。熱湯を調整するのがもっちゃん。
籾を2袋入れる。持つのが、アズマちゃんと大金。時間を計るのが真一。
ユズナはこれを記録、写真に撮る係り。

作業の様子。

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失礼。これでは体が大きくて何をしているかわからない!

次の写真で勘弁して下さい。

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籾を入れ袋の中までお湯を通す為、上下に動かす。すると温度が下がるので、61℃くらいから開始する。
温度の微妙なコントロールが必要で温度計測係りは大切。
たらいに冷たい水を入れてあり、終わったら、直ぐに冷やす。

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カトちゃんは次に入れる桶や、冷やした後の籾の入れる場所を作っていた。

僕は・・・みんなが動いてくれるので、1回目は見学。写真をとっていた。
みんな凄いや。こういうキビキビしている分担作業を見るのは気持ちいいね。大歓心をしていた。
時計を計っていた真一も、同じように歓心していた。

1回目はうまくいったのだが、2回目がうまくいかない。58℃、59℃くらいから上がらない。
お湯をどんどん入れるが60℃にならない。入れるお湯の温度を測ると59℃。さっきは70℃くらいあったのに。
なんとか時間を延ばしながら、2回目を終わらせる。
お湯が中々あったかくならない。いろいろ試し検討していく。
検討結果。
・お湯はボイラーに熱いのが溜まり出てくる。どんどん出したので、溜まる前に出て温度が下がっていった。
・温度の低いお湯がお風呂に溜まり水量が多くなったので、少量の熱湯では温度を上げる事は出来ない。
という事がわかる。

そして以下の事を対応。
1.熱いお湯になるのを待つ。真一がボイラーのお湯の温度を確認し、大丈夫になってから開始する。
2.既に温度の下がったお湯は流し量を少なくする。

3.出来る限り風呂の蓋をして、温度が下がらないようにする。

4.1回につける籾の量を2袋から1袋に減らして、温度が下がらないようにする。
を実行。

これ以降はうまく行き、籾を持つ係りや温度を測る係りを交代しながら行った。
僕も籾を持ったが、お湯につけると浮力で軽くなり、7分間持つのは楽であった。

冷やす水も温かくなるので、一回捨てて、7分間の温度が落ち着いている間に冷やす水を入れ替える。効率的だ。途中から僕が時間を測る。真一が7分を後10秒だけ延ばして欲しいと言い、7分10秒の温湯消毒を行う。殺菌をきちんとやりたいこだわりだろう。

チームプレイで全ての温湯消毒を終える。午前中に終わった。

ユズナに直接話してと言ってたので、種もみをわけてもらえないかと直接真一に理由を含めて説明している。車の中でも説明を練習していた。軽く「いいよ!後でね。」の真一の返事。よかった。

吉田さんが現在している浸種の様子を見せてもらう。

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吉田さんにがけの上に見えるツリーハウスに行ってみたいとお願いする。
みんなでツリーハウスへ。

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おもしろい。こんな所に泊まってみたい。寒くない季節はいいな。
がけを見下ろすブランコとか、ターザンのロープ、滑車のロープがある。
また谷にある木にも大きなツタがある。
学生4人は子供のように遊んでいた。

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特にモネが高いところ好きで子供のように上っていてアズマちゃんが心配して声をかけている。微笑ましい風景。
カトちゃんがフキの葉っぱをみつけ、みんなに薦める。

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ユズナやモネは小さな若い茎を食べ問題無かったが、アズマちゃんと大金は大きな茎でとても苦かったみたい。
昼ごはんの時まで残っていたみたい。

風の谷ファームに別れを告げて、真一の家に戻ってくる。
温湯消毒後の籾を水につける浸種を行いお昼ご飯とする。
その前に一緒に整備した土地に建ったビニールハウスを見に行く。
立派なビニールハウスだ。素晴らしい。

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既に種まきしてある所とこれから種まきをするものがある。

種まきしてある所は更に銀色の保温シートが被せてある。夜は冷えるからね。

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その後お昼ごはんをみんなで食べる。時間が無いので、途中のコンビニで買ったものだが、みんなで食べるとおいしいね。
この時初めてカトちゃんともっちゃんとオーナー同士の話をした。
僕の活動は一言で難しい。話し始めると一日が終わってしまう。後でこのブログを送って読んでもらう事にした。
お昼ごはんを食べていると開墾の頃に挨拶したネコを散歩に連れていたおじいさんが来て真一を探している。
真一だけいなかったので、挨拶だけする。

食事後に着替えて、田んぼをみんなで見る。カトちゃん、もっちゃん、モネ、大金は初めて見るので、説明しながら見ていく。
ユズナが前回測量をした結果の図面を見せてくれる。面積計算まで正確にしている。
OUTPUTをきちんと作って来る事が立派だ!

開墾した田んぼは、前回作った畦の水路をふさいでクランクさせて水の入り口が出来ている。こうしなくてはと前回帰り道に考えていた形だ。

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真一ありがとう!それにしても雨が溜まらないなと話すと、ずーと雨が降ってないからだと言ってた。
やっぱり僕が一人で来ないと雨が降らないのかなぁ・・・
水を入れる為の旗が立っている。(小さくて見えないかも知れない)

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明日以降にこの田んぼに水が入るそうだ。水を入れるのは工区毎の水当番の仕事。
水を入れないと土が固くて、畦作りが上の田んぼは出来ない。
下の田んぼは水があり、水路が壊れているので、修復作業が出来る。

午後の分担を決める。
1.下の田んぼの水路、畦作り アズマちゃん
2.ネコのおじいさんの所のビニールハウスにビニールを張る。ヒデ、大金
(終わったら、水路 畦作りに参加)
3.土壌採取、水採取 ユズナ、モネ
4.種まき 真一、カトちゃん、もっちゃん

真一と学生がやりたい事を全て行う布陣。どうでしょうか?

僕は大金とビニール張りに行く。真一の管理する田んぼが広がり今回作ったビニールハウスでは足りない。
ネコのおじいちゃんのビニールハウスも借りる。ここで作られる苗も今回の田んぼには使われる。

ついたら、真一の最新の家みたいなビニールハウスと違い、昔ながらのアーチのビニールハウス。現在は骨組みだけある。

ここにビニールを貼る。
奥の倉庫に入っているビニールを出してくるが、どれがどれに使うか良くわからない。
大金と広げてみてチェックする。
(おおがねは名前です。広げたのはビニールでありお金ではありません)
大きいビニールハウスと小さなビニールハウスの2つがあるので、まず大きいビニールハウスにビニールをかける。
大きいビニールハウスの上部を覆う一枚のビニールなので、それを四方位置を合わせてかけるのが大変。

一番上の天井にぎりぎり手が届かない。ビニールをかけるのは結構大変。大金ががんばってビニールを上で引っ張ってくれるから、それを支えるが、
端まで行くとせっかく出来た片側が重力でずれて落ちてしまう。
おじいさんも一緒に押さえながらやっと出来たと思ったら、大きな風が吹きビニールが全部取れてしまった。
またやり直しである。

同じようにまたビニールをかけながら、左右と入り口、出口で丁度良い位置になった所で
止め具を出してもらう。
おじいさんに止め具のつける位置を教えてもらいながら、止めている。
おじいさんに貸してもらったそうだ。

この後、下部にスカートみたいにつけていく。これも一枚で非常に長い。大きなビニールハウスはこれをひもで全て縛っていたので、時間がかかった。
おじいさんにビニールは何時までつけているのかと聞くと、苗が出来たらビニールは外すそう。
確かに、紫外線で劣化してしまうので、使わない時は倉庫に入れておいた方が良いかもしれない。その後、小さいビニールハウス(小さいといってもチョット小さいだけ)のビニールかけを始める。小さなビニールハウスの上部と大きなビニールハウスのスカートを分担作業して効率を上げる。

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おじいさんが、お茶と大判焼きを出していただいた、2人で小休憩。
そして最後の下部のスカートを途中から止める。ふと大金を見ると、腰に止め具入れをつけて職人みたい。

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止め具で二人で止めたので早く完了した。
二人とも田んぼがどうなっているのか気になったので、急いでいた。おじいさんに「それでは、田んぼに帰ります」というと寂しそうにしている。
気になったので「後やる事はありますか」と聞くと ビニールハウスの全ての骨組みの間のビニールに固いビニールの紐を通して完成だったそうだ。

早く終わりたいという気持ちで、中途半端な仕事で帰ろうとしてしまい寂しい思いをさせてしまったと非常に反省して、
ビニールの紐をつけ始める。大金が風上に立って、紐を結び、こちらに投げてもらう。
張力を確かめながら、僕が紐を縛る。ふぅ暑い 汗だくだ。

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更にその後から、おじいさんが、鍬で土を少しずつビニールハウスの根元にかけて行く。重しにするそうだ。

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完了してから今度はおじいさんに「他にやる事はありませんか?」と聞く。後はビニールハウスの中に種を入れる事だが、真一さんが来ないと出来ないそうだ。
今度は急がないで、おじいさんにさよならして田んぼに戻る。
ネコのおじいさんは、非常にやさしそう。これからも親しくして欲しい!

15:30頃 田んぼに戻ると、アズマちゃんが畦、水路作成をやっていて、モネは土壌採集しているが30cmまで取るのは大変みたい。
大金に畦・水路作成は交代して仕上げる。

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アズマはパワーで土壌採取を手伝う。

僕は最後の水路がまだ高いので深くする為掘っていた。深く掘ると、太い茎、堅い石があり、これもかなり時間がかかる。
途中で真一のお母さんが飲み物とお菓子を持ってきてくれた。
みんなに休憩するかと聞いたら、時間が無いので、終わってから頂きます。との返事。
こんな部下が欲しい!

16時半頃、まだ全部仕上げまでいかないが、レンタカーを19:15分に返す為にもうそろそろ帰らなくては!

道具を片付けてみんなで戻る。何故か女性が重たい荷物をかかえている。

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戻ってきて種まきの様子を確認する。

銀のシートがかかってないのが、今日種を巻いたところ。

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種まき組の種まきも終えて水をやっています。

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何と今日やりたい事が全てやってしまった。人が多いだけでは無い。今回集まったメンバーは何かが違う。自然と分担して役割をこなしてしまうのが気持ち良い。
着替えてからカトちゃん、もっちゃん、真一にさよならして車に乗る。
車でさっきの飲み物とお菓子を食べながら、途中のコンビニで追加をして帰る。

夕日が綺麗。田舎を走る車。帰りも僕の運転で帰る。今日の作業の事、研究の事、社会の問題などいろいろ車で話す。お祭りの事やお花見、栃木と茨城の事を話したり会話が面白い。

高速がまた渋滞。19:15分に着く時間に出たつもりだったのに、遅れそう。
モネに電話して、遅れるけど延長料金無しにしてもらう交渉をエイちゃんみたいにしてもらう。
電話が終わって、1時間の延長料金がかかると言われたと報告するとみんなからもっと交渉しなくてはと攻められる。
モネも「追加保険に入れば、1時間延長っていう説明は無かったです」と電話で出張していて彼女なりの交渉だったそうだ。

結果10分遅れで到着。
既に校門に手伝う人がそろっていて、すばやく荷物を積み下ろし、アズマちゃんと大金と別れる。
僕とユズナとモネで車に乗り込みレンタカーを返す。
「今回は延長料金をとりませんから」というレンタカー屋さん。モネの交渉が利いていたんだ。
と話しながら、校門の前で二人とも別れて、津田沼駅に戻る。

今日は引率の先生みたいだった。こんな経験もありがたい。若い人と一緒だと楽しいね。
明日から 上の田んぼに水が入るのが楽しみ!平日に見に行きたいけど年度末なので、平日は予定で一杯。休む所では無い。

でも今回は翌日仕事で無く、明日は日曜。
力仕事の時間が少なかったので、体が楽かも知れない。明日久し振りに合気道に行こうかな。