The way to Rice Paddy Administrator

サラリーマンが、週末活動で、無農薬、無肥料の田んぼを作る実験記録です。

新しい仲間

新しい仲間

 
3月15日 今日は、大学時代に戻ったみたい。
 
話しは、先月・2月に遡る。 
 
2月17日  僕は大学の研究室の廊下を歩いてた。
最新の高層ビルに入りエレベーターを降り廊下を歩いて行くとそこには
ガラス張りに見える実験をやっている学生たちの姿。
新しくとても綺麗。僕が大学生の頃より凄く洗練されている。
会社勤めの僕から見ても羨ましい。
 
この光景に圧倒されながらG先生のドアをたたく。
母校の千葉工業大学で、田んぼに取り組んでいる先生にアポイントを取り土壌の相談、分析をしてもらえないかと思い来たのであった。
もし出来るなら田んぼが始まる前の最初からの方が、Before Afterの変化がわかる。
会社帰りなので、夜に約束をもらい、会うことになった。
自己紹介の為、名刺を渡す。仕事柄、いつか関連するかも知れない。
現在の田んぼの開拓の状況を説明をするが、まだ始めたばかりなので、説明出来る事が少ない。思い先行で実績が無い。
やっぱり1年くらい実績作ってから来るべきだったかな?と後悔しながら。
G先生は、そんな僕の話しを真剣に聞いてくれた。その後自分の取り組み、専門、今の研究などを教えていただく。先生は
「私は、社会の繋がり、仕組の検討が専門。土壌の分析はできない。残念だがあなたの希望に答えられないです。」やっぱり無理だよね。
自分の取り組みは、社会の仕組みのレベルでは無いので、いろいろお話しを伺い今回は諦めようと思い、お礼を言い帰ろうとする直前に、
「土壌の分析などの分野の教授が他にいるので話しはしてみましょう。」
「あなたの田んぼの話しも興味が無いわけでは無いんだ。サラリーマンが働きながら、田んぼを作るチャレンジをしている話しは、学生たちに聞かせたいくらいだ。また経過を聞かせて下さい。」
と言って頂き少しうれしかった。僕はまず収穫迄の実績を作ったらもう一度G先生に会いに来ようと思い別れました。
 
2日後の19日。仕事で僕の企画のプレゼン中、パソコンをプロジェクターに映し説明している時、メールソフトを立ち上げていたのですが、いきなり画面上に「耕作放棄地・・・」というタイトルのメールのお知らせが一瞬立ち上がる。
 
???
 
現在の報告とは関係無いので、気になりながらも無視して報告を続ける。話しながら、今やってる田んぼPJに近い題名が気になり、「会社のPJで何か耕作放棄地に関する仕事あったけな?何のメールだろう」と本気で仕事のプロジェクトでの可能性を考えていた。
昼休みになり会議が終わり早速メール内容を確認する。
 
なんと母校の土壌の分析を行っているという教授からのメール
「田んぼ ぜひ、一緒にやらせて下さい。
土壌分析できます、参加したい学生がいます。」
など書いてある。
 
何このメール!興奮しちゃう!名刺を渡していたので、会社のメールに来たのである。
早速、プライベートのメールから返信。「気持ち受け取りました。来週末あえませか?」
その教授と電話やメールでやりとりして僕はヒデさん、教授はエイちゃんと呼ぶ事にする。
今後複数年かけていろいろな調査、体験を一緒にやっていけないか?と言われる。
このブログを見て興味を持ってくれたみたい。
徹夜で読みました!って・・まだそんなに書いてないよ。

エイちゃんは熱い男。
すごく期待してるみたい。いろいろ疑問点を聞かれたが、まだ答えられない事が多い。まず会いましょうと話すが、期待に応えられるか不安になりました。
 
2月27日の夜、再び大学へ
会議室で会う事になった。
まず自己紹介、教授のエイちゃんと男女の学生2人ナオとユズナです。
田んぼの話は、ほとんどこのブログに書いてあった話でしたが、
エイちゃんは、農業関係に研究が入る事へのトラブルを懸念していた。
真一にはまだ相談してなかったが、俺と真一の関係なら、まったく問題は無い。
地主との間には真一がいて、真一と収穫物オーナーと農作業体験の契約をしているのは僕。
ここに手伝いに来る形なら、何かあっても僕の責任。と説明して
ぜひ一緒にやりましょうと話していた。
この日の記念写真

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エイちゃんもこの大学出身、僕の後輩、同じ部活に居た時もありすごく親近感が沸く。
何時しか先輩、後輩の関係になりつつありました。
 
またナオとユズナは、非常に真面目な文化系の雰囲気でした。田んぼや畑に行って作業したい言われ、最近の若い子はいい子が多いな。
ナオが酒は結構飲めると話していたので、見てみたい。
 
3月の前半には研究の発表があるらしいので、3月15日に現地に行く事を約束して別れました。
 
帰宅して、翌日2月28日は、ビニールハウスの整地だったので、早く寝ようと思っていたが、真一からいろいろ連絡があり
「明日 行ってから報告すると、午前が大学の話しだけで終わってしまう」と思い夜に電話で大学の話をする。
真一は興奮して眠れなくなったみたい。エイちゃんの事をインターネットで調べていろいろ質問が来る。真一はもちろん大歓迎だ。
自分のやっている事を学術機関(大学など)と一緒に取り組みたいと思っていたが、動く余裕が無かったみたい。
いろいろ聞いて来て話が終わらない。僕も寝不足で翌日いすみにいったのだった。
 
そして迎えた3月15日
 
津田沼で降り、待ち合わせの校門まで歩く。昔と違ってすごくきれいな校庭。まさしくキャンバスだ!歩きながら待ち合わせの場所を見ると車が1台停まっているが3人の姿は無い。
車の横に体育会系の柔道部みたいな男が立っているので、これは違う待ち合わせだろうと通りすぎようとすると、
「おはようございます。今日御一緒させていただく、アズマです。」と挨拶される。
車の中にエイちゃんが居て、今日は学生3人連れて行くからヒデさんは助手席座って。
と言われる。
ナオとユズナも現れて、道具を既に積んであり、出発となった。
大学3年のナオとユズナ、大学4年のアズマちゃんと教授のエイちゃんと僕で大学の校門から出発!
この感じ、大学のクラブの合宿などでやった事がある。
懐かしいー
 
エイちゃんの運転で、いすみへ。なんか一人っきりで電車とバスで向かう時とまったく違う。楽しー
エイちゃんと車の中ではいろいろ話しをする。川の事、ため池の事過去の土地の利用状態など地政学的な話も調べていて研究者だなと感じました。
 
真一の家に着き みんなで挨拶。修子さんにも挨拶。
早速、今回やっている田んぼの全体像をみよう。
 
先週の平日に真一が最後の水路の許可をもらっている。それによって全体の水路が確定した。
今日はそこの周りを掘りたい。
田んぼの全体を説明しようとしていたら、なんとユズナがカラープリントでこの田んぼの全体像や
1952年、1975年、そして2014年の航空写真、地域の全体像を作ってきている。
全員にプリントを配る。用意が良い。まだ行った事が無いのに大体の把握が出来ている見たい。すごいなー!
 
現地で説明しながら、いろいろ書き込んでいる。またバージョンアップが楽しみです。
 
10年以上の耕作放棄地から真一が去年始めた田んぼ、
僕が今年始めようと開墾途中の田んぼ、
まだ何もしなく耕作放棄地のままの田んぼ
畑にして豆を植えて、冬に味噌作りをする場所
など説明する。
もちろん全て無農薬。
現在作ろうとしている水路の説明などをしながら、田んぼを回る。

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春が近く生まれ始めた生物を観察している。
生まれたばかりのおたまじゃくし

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一通りみてからも田んぼについての話が止まらない。
 真一とエイちゃんの話が止まらない。

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真一がもっと自然が多い、谷に囲まれた谷津田も見に行かないかと言う。
 
一度家に戻ってからビニールハウスの整地の場所を見たり
真一に農具のいろいろな事を聞いている。
 
その後車で谷津田に移動。
僕も見た事がなかったので、2台6人で車で移動する。
 
林に囲まれ、本当に自然の中のだんだん畑で、生き物が沢山居て、林から綺麗な水が湧き出て小川になっている非常に綺麗な場所。

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「ここに居ると気持ち良くて時間を忘れてしまうんだ」と真一
 
エイちゃんの指示で、アズマちゃんとナオが水や土壌のサンプリング。
ナオは遠くの車までダッシュで装置を取りに行く。行動が速い。
土壌採取装置が研究者らしい。

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エイちゃんも一緒に採取に加わる。

エイちゃんを中心にチームが統率取れてていい感じ!

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ユズナは写真をとり、記録をしている。

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真一とエイちゃんは、ここでも稲の話などを熱中して話している。みんな楽しそう。
自然の中でこの躍動する雰囲気。
もうすぐ春の気候。卵から孵ったばかりのオタマジャクシ。
ここはすごくいっぱいいる。

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田んぼ、泥、カエル、タニシ、水蜘蛛、静かで、とっても気持ちがいい。
これは多分コオイムシ

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ここでも田植えや稲刈したいなと僕も思ってしまった。
下の田んぼは、別の人の管理ですか?と聞いたら
ブラウンズフィールドです。
わかりやすい。
何だ大ちゃんか。今年は新しい人になるのでどうするのかな?
機械の入らないこの場所を無農薬でやろうという人は少ないからね。
こんな絶好の環境は、今日の研究者達も大満足。
 
戻って来たらもうお昼の時間。
イスを出してもらい、コンビニで買ったご飯をみんなで食べる。

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食べてから着替えて水路作成。
大学のメンバーが着替えると全員 上が黄色の派手な服装。
全員並んでいると面白い。戦隊もの見たいだが、カラーが同じだから、地球防衛軍
 
まず許可をもらった水路が道路にはみ出さないように水糸を引き、その内側を掘る。
アズマちゃんとナオとユズナは、田んぼ全体の面積、高低差を正確に測る為の測量の道具を持ってきて測量を行う。
またそれぞれの土のサンプリングを行っている。
 

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作業の人数も多く、測量で黄色い服と大きな声が飛び交っている田んぼは活気に満ち溢れている。
 
僕とエイちゃんとは、水路作り。
僕が掘った溝をエイちゃんが鍬とシャベルで仕上げる。手際よく綺麗に仕上がる。真一も参加して3人で道路わきの水路を掘るが、3人は早い。
 
何か変わったなと思った。
 
田んぼの水路の出口に高く落ち葉や切った枝の山がある。
過去何年もここに重ねられたみたいで、高く下の方は土になっている。
これを崩さないと水路が流れない。
真一とこれをどうするか話すが、崩して燃やせるものは燃やすが、下が土になって高くなっている。
量が多すぎて低く出来ない。
水が流れないので、平らにしてから掘って水路を作ろう。
端に寄せるが、そこは田んぼにならないね。
 
エイちゃんと一緒にこれを崩している。これも重労働。燃やせそうなものを、仕分けながら整地する。

間に真一は、トラクターを動かして来る。
いよいよ開墾した上に一度だけトラクターをかける。
 
開墾して、草や根っこが無くならないとをかけられない。草は切ったが細かな根がびっしり生えていて
鍬を入れるのも一苦労なので、一反はとても出来ない。一度 トラクターで耕す事にした。
 
またトラクターを入れた後は、非常にやわらかく、ずぶずぶになるが、何度もかけると深くなりすぎるので、一回しかかけられない。
真一は慎重に運転し、僕は道から飛び出ている根っこが抜けない木がひっかからないようにノコギリで切ったり、エイちゃんと一緒に根っこを抜いて大きな穴の空いている場所を土を回りから持ってきて埋めたりして手伝っていた。
かなり土が重く簡単には行かない。エイちゃんにここでも力仕事してもらうが、お互いかなり疲れてきた。
(エイちゃんは翌日、足が疲れて金縛りになったと言ってました。)

 トラクターを入れる前

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トラクターを入れている途中

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トラクターを入れた後

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それが終わり、水路の出口の積み上げられた木を燃やし、高くなった土を慣らしていく。
真一のお母さんがお茶とお菓子を持ってきてくれる。
 皆んなで休憩しながら
真一とエイちゃんは、もっと違う品種の米を植えたいといういろいろな話をしていた。
二人ともオタクすぎて、話がついていけて無いのだが、おいおい実行段階で書いて行きます。
 
積み上げた草木は少し焼いたり、崩したりしているがそれでも全て田んぼに出来ないので、
それを端によせてそこは田んぼとして使わない、田んぼの端を決めてそこに合わせてトラクターを入れる。
 

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トラクターを入れた後、その周りの水路作成、この水路を作れば、全ての水路がつながる。
今日は車で19:30までに津田沼に帰る予定なので、残り時間が少ない。僕とエイちゃんも水路を作る。
エイちゃんは鍬の使い方が上手い。
僕が作った方は雑なのにエイちゃんの仕上がりは、綺麗。
エイちゃんが昔、道路工事のアルバイトで経験したたまものみたいだ。
時間が無く一部作った水路はまだ掘っただけになってしまった。
 
最後で力を発揮したのが、アズマちゃん。体育会系の大きな体、長靴が入りにくいほどのふくらはぎの体格を使いきれいに下側の水路を彫ってくれた。

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馬力がある。さすが4年生の上級生の貫禄を示した。
 関心した真一は泊まって行っていいよ声をかける程!
 
ナオとユズナでやっていた測量も一通り終わったみたい。測量結果の図面が楽しみです。
最後にみんなで記念写真

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みんなで道具を片付けて家に戻る。
道具を最後まできちんとアズマちゃんが洗っている。

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そう言えば、僕一人で来た時、夜遅いのもあるが、道具を洗った事がなかった。反省。
 
現在 浸種をしている桶の水の交換を手伝う。浸種のにおいをかぐととてもフルーティな香りがする。
 

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その後、着替えて車に乗り、16:45分頃 真一、修子さんと別れて家を後にする。赤ちゃんは寝てて会えなかった。修子さんは暫く実家に里帰りするので会えないかな。
 
帰りもエイちゃんの運転。こんなに働いて行きも帰りも運転で疲れて眠くなんないか心配。途中でご飯、お菓子を買い渋滞もあり津田沼に19:45分到着。
帰りの車の中では、エイちゃんがユズナに土壌の分析手順を運転しながら話している。
やっぱり先生だなーと関心しながら聞いていた。
 
レンタカーをすぐに返す為、エイちゃんが3人に指示。荷物をすばやく降ろし、アズマちゃんが鍵を開けに行き、ナオとユズナが荷物を降ろす。このチームの機敏さがわかる瞬間です。エイちゃんの指導がいいのかな!
エイちゃんは、すぐに車を返す為、ここでお別れ。
荷物を運ぶのはナオ、ユズナにまかせて、僕もさよならして 津田沼駅から帰る。
 
何か 今までと違う1日だった。
 
耕作した田んぼは、水を入れたいが、高い田んぼへ水の方向を変える為のあぜと蓄える為の畦がまだ出来てないので、水を入れられない。耕した草を腐らせる為に次はそれらを作り水を入れる事。
もう暖かくなり、草が生え始める。そろそろ田んぼにしなくてはと心配しながらも
新しい仲間との一日にこころのうきうきを止められない
いつしか電車にゆられて、仲間と一緒に収穫をしている夢を見てました。