The way to Rice Paddy Administrator

サラリーマンが、週末活動で、無農薬、無肥料の田んぼを作る実験記録です。

水の通り道

雨の中 電車でいすみに向かう。今週は春みたいな温かい日があったのに、今日は凄く寒い。・・・と書くと毎回 同じ事を書いているとつっこまれそうだが、日曜日が3週間続けて雨なので仕方ないでしょう。

冬は晴天率が高いのに、何かを始める時には、神様が試練を与えるのですね。

雨はやむと信じて向かうが、やまなかったら、真一・修子さんの赤ちゃんを見るだけでも行く価値があるかなと考えてました。

到着して、真一に様子を聞く。出産や赤ちゃんの話と7日に行ったいすみのシンポジウムでの話しである。真一がいすみでは無農薬自然農法の田んぼとしては一番大きいのでは?と話すと、今はそうだが、もっと大きい農家が沢山ある。そこが一気に無農薬自然農法をするとなったら、あっという間に越えられてしまう。一番を争うので無く、真一の取り組みがいすみ全体に伝わり、市が無農薬の田んぼが名物・ブランドになればいい。そのきっかけになれば、など話ながらも まず 水路の挨拶に行こう。朝一で行かないと出かけてしまうから。と挨拶に行くが、今回も不在。残念。真一も今週は出産、シンポジウムなどで余裕が無かったので、なるべく平日にお願いする。

戻ってきてコタツに入りながら今日やる事を考える。

耕作放棄地を去年まで復元してきた場所と今回復元している場所と全体を図にして、水路、畦の配置を考えて、高低差を考えながら、水の通り道を決める。

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深すぎて稲が植えられない所は、そのまま池にして、生物が住めるビオトープにする、いろいろな種類の米を植えて試す実験場も作ろう、こどもが遊べるどろんこ広場も作ろうなどと話がながら、図に書き込んで行く。一緒に考えているととても楽しい。ピンクのマーカーが畦である。

ビオトープの場所が水の入り口だが、そこの田んぼにそのまま水を流さず、高い畦で止めて、今回 開墾した田んぼに水を流す。この田んぼが一番位置が高い。

その後、ビオトープの田んぼに流して、順番に下の田んぼに流す。

下の田んぼも水を流す水路と入れる場所を別に作る。水が欲しいときは入れるば、雨などが振り続き入らない水は田に入れず水路で流さなくてはならない。そんなに高低差が少ないので、深く掘った水路には、全て流れずに水が残る。広めに作って生物が生きる場所にしたい。稲刈などで、田んぼの水を抜いた時も生物がそこの水路、ビオトープで生きられるようにしたいなどと話す。ミミズは田んぼの水を抜いた時にどうなるの?と聞くと、稲刈の時に抜いただけなら、土の中に潜って生きていて、水を冬の間入れているとまた増えていく。冬に不耕起で冬季湛水(とうきたんすい)をするなら、秋の稲刈の時だけ水を抜いても行き続ける。回りの水路、ビオトープなども重要みたい。

2月に作った水路は、隣の高い場所の敷地から今回開墾した田んぼに水が流れ込まない為の水路。この水路を下の田んぼにもつなげる。また下の田んぼも水路が無いので、全体に水路を作っていこう。と話し、最後の水を流す場所まで繋げる水路はまた許可をもらってからやる事にして(土管などがあり、昔は使われていたみたいなので、そこも復旧するという事ですが)それ以外の場所の水路を作る。

久し振りに田んぼの復旧作業です。今回自分が契約した範囲を超えていると言われても、その田んぼは、一番高い位置にある。そこに水を最初にもらい下の田んぼに流す。最後の田んぼまでの事を考えてやりたい。

会社では、次工程を意識し、「次工程はお客様」と意識して、工場でもプロジェクトでも行う。同じだ。

今日はこの区画一帯の水路を作る。

最後、出口に繋げる所が許可取れてないので残るが、土管など過去に水路の跡があり、復旧作業する形なので作業として僅か残すだけでしょう。

まず水糸を張って位置決めしよう!

と外に出たら、真一が「汚れる前に赤ちゃん見てかない?」

本当は見たかったが、まだ修子さんと赤ちゃんが昨日退院したばかりなので遠慮していた。

家の奥に上がらせてもらい、赤ちゃんとご対面。

 

わっ・・・かっわいいーー

 

凄くちっちゃくてかわいい。

寝てる顔も、欠伸も、もぞもぞ動く様子も、少し出す声もみーんなかわいい。

自分の子供が産まれた頃を思い出し

修子さんに出産の話を聞きいつしか時間が過ぎて行く。

今日は、赤ちゃんと会うだけでもいいかな?

赤ちゃんをお風呂に入れるタイミングとなり、やっと作業に戻る。危ない。かわいすぎて作業を忘れる所だった。

まだ小雨降る中を、杭を立てて水糸を引く。土木作業の位置決めの時、直線を引き、邪魔にならず、切れず弾力がありとても便利。ただ結ぶ為、手袋を外すのが冷たく寒かった。

位置を決めながら、回ってみるとビオトープに沢山のカエルの卵。

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カエルは、虫を食べてくれるので是非育って欲しい!

位置決めが終わり、邪魔な抜いた大きな根っこを移動する。2人がかりでないと移動できない。土が沢山付いているから重い。真一が少しでも土を落としたいと僕が根っこ裏返して押さえ、真一が土を取る。農業を始めたら土は大事になり、トラクターの車輪で外に出してしまうのも勿体無いそうです。昼のサイレンが鳴り昼ごはんにする。

昼ごはんの間も、真一は仕事の電話。ビニールハウスやら新しく引き受ける田んぼの事などの調整。僕は動かなくなったら寒くなりこたつに潜り込んで横になりながら真一の話しを聞いていた。

午後の水路作成について僕が話す。

「位置を決めたから午後は、俺一人でやるよ!真一は自分の仕事してて。」

落ち着いたら真一に来てもらう事にして一人で作業に出る。

雨はあがったが風が強く寒い。

図面のイメージを作る為、新しい水路を不完全でも一通り作って見よう。

但しビオトープの畦は、カエルの卵があるので今回は手を付けない。バケツで卵を移動してからだ。

下の田んぼは、水が多く柔らかそう。と見えるが、シャベルを入れると細かな根っこがあり切るのに力がいる。土は水を吸って重く、粘土なので、シャベルにピッタリ付いて離れない。足が田んぼに潜って取れなく転んでしまう。大変だが最初と最後を少し掘りやり始めたたらそれを繋げたくなってしまう。

一人でやっていると写真を撮る余裕が無い。やる前があまり撮れてない。途中でまとめて撮った。

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水が通る瞬間を見たい。水路を掘りあげた土の中が畦になる。繰り返し作業しほぼ水路を繋げた。物凄く疲れてる。腰が重たい。2時間くらいなのになんでだろう?

真一が3時半ごろ作業に加わる。

チェックすると水路は細く曲がってる。大丈夫まだまだ修正できます。2人で、広く真っ直ぐに修正する。

一人の時とこんなに違うのか!声を掛け合う。おしゃべりをする。作業を分担し大変な作業は交代する。

真一の道具使いの上手さもあり修正作業は進んで行く。僕は、一人の時の負担が響き最後は、力が入らない位になってしまった。腰も辛い。

真一が「休憩しますか?」助かった〜

休憩しながら苗箱の計算を行う。

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①田んぼ一坪180×180cmに必要な苗の数。
 縦に6列(田植え機を使う前提で)で横に9列から10列だと約一坪に50~60株植えます。

②田んぼ1反に必要な苗の数。
1反300坪 15000株~18000株

③苗箱30×60cmで育てる苗の数。
20列×40行で800株

④一反に必要な苗箱の数18.75~22.5⇒約21箱で計算

⑤今回のビニールハウスで育てられる苗箱

6m×22mの大きなハウスに置ける苗箱の数約540枚

⑥真一管理の田んぼに必要な苗箱数

2.57町=25.7反 ×21箱=539.7

ぴったりだ。

⑦また新たに頼まれそうな田んぼに必要な苗箱数。

1・5町 とても入れない。

田んぼを行っている人の年齢が高齢化し、維持出来なく真一みたいに真面目にがんばっている人に相談が来る。

真一は 就農しある程度拡大しなくてはならないが、段々個人の限界を超えてきそう。こんなに大きなビニールハウスでも間に合わない。自然農法をしたいので、丈夫な苗を作るのに日数がかかる。(農薬と化学肥料で作る慣行農法はヒョロヒョロの苗で日数も短いみたい)

今回ビニールハウスの設置が遅いので、2回回すのも考えるが、無理がある。知人に借りるか?引き受けるのを辞めるか?田んぼで苗を育てるやり方もあるが、まだ自然農法で未経験なのに、いきなり大量には出来ない。今やっている人は、何十年もその農法にあったやり方で、少しずつ広げてきた人達だ。

苗だけでは無い。量が増えたら、田植え、稲刈、通常の管理はもとより、乾燥、脱穀、保管場所(一定の温度、湿度で乾燥させても湿気が残っているので、カビが発生しないようにする、またネズミに食べられないようにする)などが必要になる。真一も相談するし、周りの農家の人もいろいろ声をかけてくれている。

今日も、二人で作業中に、道に車が止まり猫のおじさんが降りてきて話した時は、乾燥機の話しだった。乾燥機2台は必要だな。などと話していた。

一年に一回しか使わない設備を農家がそれぞれ用意する。貸したり借りたりもあるが、自分で設備を用意して一人前!また作業が増えると人も必要。例え機械でやるにしても、その受け渡しなど作業の人がいるかいないかで効率が違う。しかし人を雇うには一年に一回のイベント的仕事が多く年間の仕事の保証は出来ない。

田んぼに新たに本当に就農しようとするととっても入りにくいと思った。規模を大きくしていくと課題は増える。鶴亀農園はもっと大きくなって欲しい。

機械や倉庫はもっとカーシェアリングみたいな仕組みが作れないか?

車だって、一家一台持つより効率的に使う仕組みが出来ている。一年に一回のものを買うのは、すごくハードルが高い。

人を増やすのか?など僕も考えるが、答えはすぐには出てこない。

今、僕が出来る事は、現在の自然農を経験して、観察して、記録してこのページで発信する事。もっといろいろな人の知恵で革新的な解決が出てこないかな?

なんて話していると日が暮れてしまう。最後の仕上げと道具の片付けをしなくては。

もう一度、外に出て作業完了させる。

広く真っ直ぐな水路に変わった。

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体中泥だらけ。

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家に戻って着替えると非常にうれしい。乾いた服がありがたい。

二人とも疲れてて、真一の赤ちゃんの事もあるので、今日は長居しないで帰る。長者町まで送ってもらい外房線に乗って帰る。雨がまた降り出した。午後だけやんで良かったな。

帰り道も水の流れに想いを寄せる。

畑への耕作機導入の道に水路を掘るのは、橋も作らなくてはならないので、今日やらなかった。そこで全ての水が止まってる。其処に水路を作れば、水ご下に集まり既存の土管への水圧が増え、最後の水路が無くても流れて行くかも。うぅーやってみたい。たった2m程掘るだけだ。

電車に乗りながら田んぼに戻りたい衝動にかられました。

来週までのお預けです。

お風呂に入り、腰にすぐに湿布を貼る。痛くなりませんように!顔がうっすら焼けている。あんなに曇り空で寒かったのに。春や夏の晴天の日は焼けそう~

今日もいろんな事があったな。