The way to Rice Paddy Administrator

サラリーマンが、週末活動で、無農薬、無肥料の田んぼを作る実験記録です。

2014年8月 次のきっかけ デンマーク

2014年8月
初めてのヨーロッパ、9日間。行き先は、デンマーク
しかも首都コペンハーゲンから遥かに離れた、日本人が観光では行かない田舎で過ごす。
今、考えても、僕がこのようなツアーに参加するとは信じられない様な出来事でした。

きっかけは、4月にサスティナブルスクールに参加するにあたり、フェイスブックに登録するように言われて、今迄避けていたフェイスブックに登録しました。
5月のいすみ市での田植えの時、皆んなが共通の話題がいろいろされているので、不思議に思い聞いたら、フェイスブック上での情報交換がされていると言う。
Nさんが、僕のフェイスブックを確認し
「誰も友達を作らない、一人フェイスブックになっているよ 」と言われて、友達申請などのやり方を教えてくれました。
実はそうなんだ、最近プライベートで色々あり、人と友達申請をするという事にかなりの抵抗があり、何もやってなかったんだ。
今回、クローズのグループの中での連絡用という事でその思いを断ち切り、サスティナブルスクールの皆んなとフェイスブック上で友達になりました。
翌週、早速イベントメールが、サスティナブルスクールのKさんから来て、操作に慣れないまま参加を押してしまいました。
6月にこのイベント開催日が近づき、改めて内容を確認すると
デンマークの教育]???
今更教育を聞いてどうなる、僕に必要無いかもと思いましたが、Kさんが主催者で、直前ドタキャンは迷惑と考えたのと、場所が青山で職場から近かったから、何か知らない事を聞けるかもと思い参加しました。

雨の中、会場に着くとマンションの一室を  木の空間にリフォームした不思議な所に20名くらいが、座布団に座り 丸くなり、黙想が始まりました。

黙想終了後、
「チェックインをします。それぞれ今感じている事を話して下さい。」とKさんが話しました。
チェックイン?ホテルのチェックインと違うよね。後は、沢田研二の“お前にチェックイン”確かベストテンで2位までいったっけ!
なんて考えてました。
誰も手を上げないので、最初に僕が手を上げて、今感じている事を発言しました。
「黙想の時、部屋が明るかったので、もっと照明を落とした方が集中しやすいと感じました。」
誰も反応せずシーン・・・何か 新興宗教だったらやだなぁ。
その後、ポツポツと手が上がり、他の人が発言をしたのですが、皆んな僕とは、全く異なる発言でした。
まず自己紹介に始まり、自分の経歴、北欧やデンマークに何故関心を持っているか、教育に関心を持っておるかを熱く語りました。
最初の僕の発言は、何だったんだろう、自己紹介もしてなく、この会場に来た思いも述べてない、この場から外れた人間でした。
間違えてきちゃったな。でも皆んなの発言から新興宗教で無さそうなので良かった。

その後、ゲストのYさんが話し始めます。
彼女の話し方は、とてもテンションが高く、
2011年の東日本大震災をきっかけに、原子力発電が無く、再生可能エネルギーにシフトしているデンマークのエネルギー事情の視察を個人で行ない それを持ち帰りみんなに伝えている事。
デンマークの幼稚園から大学の教育や、自然エネルギーや、社会や政治の作られ方まで話しが進みます。税金は高いが、大学まで無料。また個々を大切にする教育。
日本での教育費の高さと比べると羨ましいです。

特に関心があった事が3つ
デンマークは、70年代の石油ショックの頃は、日本と同じくらいのエネルギー自給率だったのに、現在は、エネルギー自給率130%
・また食料自給率は、300%。
何これ!海外からの輸入にエネルギーも食料も頼っている日本と真逆じゃない!
・でも何よりも興味を持ったのは、教育の進路を決める中で考える時間を持つギャップイヤーの話。そして大人になっても、勉強から人生をやり直せるきっかけになるフォルケホイスコーレの話です。そのフォルケホイスコーレがデンマークでもっとも盛んな、風力発電のきっかけを作り社会を変えていった話でした。

そして最後に、8月にフォルケホイスコーレの体験をする。Yさんの娘さんのデンマーク留学を通じて人脈が出来た中でのツアーなので、単なる観光で無く、現地の生活や社会が見れて、フォルケホイスコーレの授業も体験できる唯一のツアーになります。

最後にシェアリングをして下さいと言われて(シェアリング?その時は良くわからない言葉だなと思ったけど、要するに感想を共有しましょうみたいな事でした。)
「とても行きたいけど、会社の有休をそんなに長く取れるかな 」みたいなつまらない発言をしました。
Yさんからも「有休を取る所からが冒険ですね。」と笑って言われてしまいました。
たしかに僕は、日本のサラリーマンを代表するが如く、殆ど休まないで働いている男です。

そんな僕ですが、デンマークのエネルギー、食料事情を見てみたい。フォルケホイスコーレを体験したい。という思いが強くなりました。
ヨーロッパには行った事がありませんが、観光でローマ、パリ、ロンドンを回るみたいなツアーだったら、絶対に行かなかったと思います。
 
会社には、特にエネルギーの見学が出来るからという話しを中心に有休のお願いを上司にした所、あっさり いいね。仕事を調整して行っておいでと言われました。
自分で壁を作っているだけでしたね。
Yさんに「これが、最初で最後のヨーロッパ旅行になるかも知れません」
と話した時に、「絶対 また行きたくなります」と言われていました。

そのデンマークの旅行は、また書ききれない程の出来事があり、生涯で一番楽しい旅行でした。
6月、7月からの旅行の用意、全員での打ち合わせ。ツアー中止の危機をYさん中心に乗り越えた事。
実際にデンマークに行き、コペンハーゲンから田舎までの風景、牧草地帯、小麦畑、とうもろこし畑、風力発電。教会が中心の小さな街で、教会のきれいな宿舎に1週間泊まりました。
音楽、ギターとフルート、食事、田舎での暮らし、ツアーの仲間、現地で会った人達、英語での勉強や発表、初めてのヨーロッパの風景などと、エネルギー事業風力発電バイオマス、地熱、太陽光発電、太陽熱、地域暖房、建物の断熱のしっかりした事、昔の建物を大事にする街、地域の税金の使われ方、ボランティア、幼稚園の風景、先生の家訪問など観光ツアーでは、普通に行けない事ばかりでした。
与えられるだけで無く、与える事もしました。日本人が殆ど行かない田舎なので、日本プレゼンをやった時は、現地の人と一体になり楽しめました。
この時の事は、全て書くと、沢山すぎるので、田んぼに関連する事を記述します。

田舎と農業の話し。
まず、デンマークでは辺境の田舎なのに、まったく寂れてない。

街は綺麗で、シャッター商店街みたいな事は無く、人々は、裕福そうでした。
デンマークの田舎は、エネルギーと食料を生産し、都会や他の国へ売っている事を徹底的にしている印象でした。食料自給率が高いので、食料として輸出するだけで無く、とうもろこしは、バイオエタノールとしてドイツに売っているみたいです。
EUの中でも通貨はクローネなので、ユーロ危機とも無縁に感じました。食料とエネルギーを輸入に頼ってないからかな?
地元の政治の話で、ガス田から出る化石燃料を如何に減らす為に、税金を投資するか?その投資で、CO2排出量取引で元をとろうなどが、具体的に話題になっています。環境への意識が高い。またエネルギーと食料を自給する事、その生産を通じて仕事がある事は、田舎にも若者が集まり、国を豊かにして強くする事なんだと感じました。

そして、農業。デンマークで、完全なオーガニックの農家を行っている所に訪問しました。
牛、馬、鳥、豚は、自然の環境で放牧され、その糞で草は育ち、排水は近くの森に還して還元し、畑は多様な野菜を植えてました。
広大な小麦畑を見ながら そこの女性オーナーが話してくれました。
その人は、農業の大学を卒業し、早い段階で無農薬に挑戦した人です。農薬は、土が死んでしまうので、無農薬で土を育てると作物も良くなる。農薬が無い事による被害もあったが、いろいろな作物を植えてリスクを分散している。
また、そこの農場は、宿泊施設も作り、農場で働く人は、若い人達が多く、WOOOFなども行なっているからでしょうが、とても活気がありました。
女性オーナーが、収穫の時期と宿泊施設の利用の多さが重なるととっても大変でストレスになるわ。と話す様子もとっても気さくでした。
何かデンマークに来て、場所も内容も規模も違うけど、いすみ市のブラウンズフィールドを思い出し、女性オーナーは、ブラウンズフィールドののDさんと似ていると思いました。
広大な小麦畑を見て、日本に置き換えると何だろうと考えていると、やっぱり田んぼの風景が思い出されました。

食料自給率が低い日本が、耕作放棄地や、減反などで、田んぼの風景を失っていくのを止めたいと思いを巡らせていました。

また宿泊所で、毎食出るパンは、ライ麦パンで、幼稚園見学の園児のお弁当もライ麦パンにチーズを挟んだものでした。
麦も無農薬のオーガニックだし、放牧されている牛から作られるチーズは、とても美味しい。
ライ麦パンは、とても栄養価が高いの と説明している様子を見ながら、日本に置き換えると玄米だろう。しかも無農薬の玄米を毎食食べられるような環境にしたいと思いました。
日本の田舎が元気になり、将来の子供達に良い未来を残す社会にしたい。
デンマークにいながら、日本の事を考えている自分がいました。
数ヶ月前には、考えもしないような自分だったのに。

小さな事でも自分は、何が出来るだろう。何がを社会に残せるのだろうか?

とても勉強になりましたが、自分の出来る事は限られてます。帰国後は、何も出来ない事とのギャップに悩みました。